*志田視点
「はぁ〜」
疲れたー!
今日はさんざんだよ。
朝起きたらもう1時限目の終わりぐらいの時間だし、登校して1発目の授業が数学だったし、宿題あるの忘れてて怒られたし。
あの寮は学生しかいないのに誰1人起こしてくれないのかよ。
しかも、つぎ体育だ。
体力測定か。ダルいな〜。
「愛佳ー!着替えに行こー」
「あ、うん!ちょっと待って」
「早くー!」
相変わらずオダナナはうるさいし、ぺーちゃんは可愛い。本当にお前ら変わらないな〜
更衣室に行く途中ねるに会った。
「おっ!ねる〜元気かー?」
「元気元気!それより愛佳遅刻したんでしょw」
「えっ⁉︎なんで知ってんの?」
「さぁ〜?なんでだろ〜ね〜?」
「おい!ねる!」
「愛佳行くよ!遅れる」
「もぉーー!!!!」
ねるは意地悪な時もあるけどなんか憎めないというかむしろメッチャ癒される。あいつ体のどっかからマイナスイオン出てんじゃないの?
まぁうちのぺーちゃんは確実に出てるけど。
あれほどの癒しはないよ。マジで。
体力測定の項目は50メートル走とハンドボール投げだった。
50メートル走は結構得意で7秒台後半だったこの記録なら理佐に自慢できそう。
ハンドボール投げも中学の時バレーボール部だったからか得意でクラスの女子の中でいちばん飛んだ。
「ぺー!見てた?」
「うん!見てた。愛佳カッコいい!」
「やった///」
「あんた達ほんとラブラブだね。」
「うっせーオダナナ」
「ダニー記録は?」
「50メートル走………9秒!ハンドボール投げ………20メートル!」
「うわ……」
「……ビミョーだね…」
「おいぺーたんビミョーとか言うなよ!そう言うぺーたの記録は?」
「ん〜………10秒台……と…8メートル」
「……………」
「おっ、おう、なんか、聞いてごめんね」
「もう〜だから言いたくなかたのに〜」
「いいよいいよ、ぺーちゃんはそれで良いよむしろそこが良いよ!足の速いぺーちゃんとかなんか嫌だもんな?」
「そ、そうだよ。運動できなくてもぺーたんは可愛いから良いんだよ。」
「…慰めありがと」
あーー!ぺーちゃんが怒ったー!
ヤバい!どーしよ!
それもこれもオダナナがいらんこと聞くからじゃん!オダナナのやろ〜おぼえとけよ〜!
*渡辺視点
もぉ〜
ダニーも愛佳も女心が全然分かってないよ。
普通女の子って付き合ってる人には少しでも良いところ見せたいじゃん。なのにダニーは分かってないよ!
普段の私見てたら運動出来ないだろうな〜ってわかるじゃん!なのに記録聞くなんて本当に最低だよ。
愛佳も愛佳だよ。
カッコいいなと思ったのに気遣いができないなんて彼女として失格だよ!
久しぶりに誰かに対してムカついた私はトイレに行くといって体操服のまま校内を歩いていた。
すると後ろから走ってるような足音が聞こえてきた。こんな時間に誰だろ〜?先生かな?廊下は走ったらダメなのにな〜。
「べり!べり!」
先生かなと思ってたら予想外の声が聞こえて怒ってたのに反射的に振り向いてしまった。
「はぁ、はぁ、はぁ、べり、」
「愛佳、なに?」
「さっきは、はぁ、はぁ、ごめんね?」
「………」
「べりの気持ち全然考えてなかった。恋人として最低だよね」
分かってるじゃん。
「ごめんねべり、許して」
ギュッ!
愛佳が抱きしめてくれた。
こんなに体を密着させたのは初めて愛佳の部屋に行って映画を見た時以来かな?
ドキドキする
私もそんなに背が低いほうじゃないけどそんな私より一回りおおきい愛佳に安心する。
この人は信じて大丈夫だ。
私のことを誰よりも思ってくれてる。
私を閉じ込める愛佳の腕からはそんな思いがヒシヒシと伝わってきた。
それに最初走ってきた時すごい息が切れてた
愛佳がそんなに体力ないほうだとしても部活で鍛えてるから普通よりは体力もある。
そんな愛佳が過呼吸になるくらい息を切らして私を探してくれたと思うと怒ってたことなんかどうでもよくなってきた。
きっと愛佳は言葉より行動で示すタイプなんだろう。
「愛佳?」
「なにべり?」
「一回離して」
「やだ!べりが許してくれるまで離さない」
う〜ん、いつものカッコいい愛佳はどこに行ったの?
今の愛佳はお菓子を買ってもらえなくて駄々をこねる子供みたい。
「お願い、一回離して」
そう言うと愛佳は渋々離してくれた。
「べり、怒ってる?」
「もう怒ってないよ、」
「本当に?」
「うん、ほら」
チュッ
「……ねっ?分かった?」
「急にするのはずるいと思う///」
「ごめんごめん、先生に怒られちゃうから授業戻ろ?」
「うん、べり」
「ん?なに?」
チュッ
「ヒヒっ!仕返し」
「なにそれ///」
仕返しって、子供みたい
やっぱり愛佳は子供っぽくていたずら好き、でも宇宙で一番カッコいい彼女だな〜
授業に戻ると先生は何も言ってこなかったけど、ダニーからの質問がしつこすぎて今度は愛佳がダニーにおこるばんだった。