のんびり日々を過ごしていますが、電話で話す時間は以前より格段に増えてきました。

 

いいお話、刺激的なお話もあれば、残念ながら参ったなぁ。。。っていうトラブルの電話もあるわけで。

 

今日の電話はちょっとね、流石に久しぶりに参った💦

 

電話に出て、内容を聞いた瞬間、直感的に頭を抱えてしまったな。

 

 

 

コロナ禍になって一年以上。

 

東京での去年の一発目の緊急事態宣言の時は『これからどうなるんだろう?』っていう緊張感が確かにあった。

 

ただ、あれから一年以上経って、政府が今の緊急事態宣言がでている中の社会の動きをどう考えているのかはもはや知らんけど、国民はある意味コロナがもたらす身体的なリスク、経済的なリスクなどを総合的に考え、そして正しく恐れ、個々で判断し行動しだしていると思うんです、少なくとも去年の春先よりは。

 

そういや最近『ロックダウン』って単語、全然耳にしなくなったな。

 

去年の春先は駅ビルや百貨店、商業施設で従業員に一人でも陽性者が出た場合はどれだけ大きい館の規模だろうが、どれだけ経済的損害があろうが、ほぼ全施設シャットダウン&除菌処理、みたいな流れだったじゃないですか。

 

ただ、今は少なくとも僕が知る限りだと、仮に従業員さんに陽性者がでても施設全体を長期間閉鎖するという対応を取っているところ、ないんじゃないでしょうか?

 

 

 

今日の電話は、とある国のとある数千人レベルの従業員が働いている工場で陽性者が一名出たとの連絡でした。

 

僕はそこでお客さんのオーダーを製造してもらっているのだけれど、本日陽性者が出たと分かった瞬間から工場をシャットダウン&全従業員は2週間自宅待機、7月の末までは完全に閉鎖するという内容の連絡で・・・

 

そのとある国っていうのは、これまでずーっと奇跡的と言えるほど陽性者をほぼシャットダウンできていたんです。

 

日本より全然人口が多い国です。

 

ただ、人口に対する陽性者比率でいうと今でも日本より全然低いくらいに抑えられているといえども先月から陽性者が一気に増えてきて。

 

日本ではもう今が『第〇波』なのか分からないくらいだけど、その国では去年の日本でいう第1波とか第2波が今になってきてる。って感じなんだろうな、感覚的には。

 

なので陽性者が一名でたことによって、数千人いようが工場を即日シャットダウンすることに関しては、ある意味工場長の英断なのか、もしかしたら社会システムが日本とも若干違うので国の指示としてそういう対応が求められているのか分からないけど、僕は『しょうがない』と思えるんです。

 

何が直感的に『まずい・・・』と頭を抱えさせたかっていうと、ギャップだね。

 

異国間でのコロナに対する心理的ギャップ。

 

これがもし去年の出来事だったら。

 

去年は世界中がどうしていいか分からない状況でさ、ワクチンなんてもちろんまだ完成もしていなくて、全ての業界でみんながみんな横並びで困っていた。

 

去年の今頃はナノで働いていたけれど、発注していた各国のメーカー・サプライヤーからそれはそれはめちゃくちゃ長文のメールが何回も何回もきました。

 

”お願いだからオーダーをキャンセルしないでくれ、今工場がコロナの関係でロックダウンしていて全く稼働できていないけれど、ナノのオーダーは既に生産には入っている。納期は遅れてしまうけれども、世界的にこういう状況なので、お願いだからお互いに助け合いの精神で・・・”

 

みたいなメールが本当にすべての取引先から。

 

国は違えど同じコロナ禍で世界中の人が大変な思いをしているので、『そうだよね、みんな大変だよね』って思ったし、ナノも基本的には全てのオーダーをキャンセルせずに納期遅れはありつつも納品してもらったんです。

 

ただ、これが今のタイミングだったら・・・心理的にかなり違うと思うんだよなぁ。

 

去年と違って今は国によって国民のワクチンの接種率もかなり差が出てるし、経済を回す方向に舵を切ったところ、切れないでいるところ、だいぶ差がでてきた。

 

 

 

例えばですよ、国民のほとんどがもうワクチンが打ち終わっていて、陽性者は出たとしても重症者や死亡者が格段に押さえられている国に在住のお客さんからしたら、『え?陽性者がたった一人でただけで数千人の従業員を自宅待機させて工場全てロックダウンするから納期が大幅に遅れる?なんで?』って、なるなぁ・・・なると思うなぁ・・・なるだろう、もはや。

 

去年と今ではコロナに対する心理的印象のギャップ、国によってだいぶ差があるだろうなぁ・・・ってのが直感的に思ってしまったので、もうね、今日の電話で頭を抱えてしまいました。

 

 

 

まぁ、しょうがないものはしょうがない。

 

真摯に状況をお客さまに説明する、それから先は神のみぞ知る世界だと思うようにすること。

 

 

 

って書きはするけど、本当は参ったなぁ・・・と思ってるんですよ、だってにんげんだもの。