特に面白くもないことだけど、ちょっと思ったことを。
時間あるときには最近、いろいろなブランドやメーカー、特にD2Cと言われるところの様々な商品を見るようになりました。
昔は全然興味もなくあまり見ることもなかったんだけど、そうです、ヒマなんです。
そしたら、結構評判の良いメーカーさんがあって。
別に晒したいわけでもないので、どんなアイテムを作られてるとかは書かないけど。
そこはいかに安くお客様に提供しているかという理由の一つに、商社やメーカーを通していないので、同じ製品でも他の小売さんの半額で提供できています。というのをチャートにして説明されていました。
これ、アパレルに限らずいろんな製造業に関わっている人なら分かると思うけど、流石に素材からパーツから全く同じ製品で『半額』は無理です。
これが同じ製品だけど、片方は有名ブランドでもう片方はブランド名なしだったら、もしかしたら半額はあり得るかもしれないけど、流石にそのチャートで表されているように、商社やメーカーを通してないからといって、上代が2倍違うのはありえないと思います。
なんなら商社はなんといっても取り扱っている量が大きいので材料・パーツ屋や工場にネゴしやすいので、そこら辺の会社が直接海外の工場で作るより、安く作れることの方も全然あると思います。
あとは、ぶったまげたことに、そこのメーカーさんは全ての製品のそれぞれにかかった原価を商品説明の欄に載せてらっしゃいました。
材料費はいくらで、パーツ代はこれこれ、工賃がこれこれで、それに運送費と関税が其々これだから、合わせてこの商品の原価はいくらです。
それに対して、私たちはこういう上代をつけています。
そしてこの上代は、他のメーカーさんだったら2倍くらいはします。
って。
また、製造国はとあるA国とあるんだけど、A国での製品の原価を仮に、そしたら1万円としましょう。
それを日本に輸入するための運送費と関税合わせて製品原価の約40%、即ち約4,000円かかっています。と、説明がなされているけど、これは輸入ビジネスに関わっている人なら分かるけど、40%もかかることはあり得ないです。
もっというと、現在世界の貿易に関しては出来るだけ自由貿易を促すために特定の保護産業の製品以外は関税撤廃、もしくは以前の税率よりも相当低い関税率になってきています。
近年だと日本もEUとEPA(Economic Partnership Agreement = 経済連携協定)を結んだので、2019年からいろんなものがヨーロッパから日本へ関税フリーで輸入されてきています。
分かりやすいところだと、ワインとかね。
で、日本とそのA国もEPAを結んでいて関税が撤廃されているので、本来EPAを使えば関税がかかっていないはずなのに、HPでの説明では関税のところには金額が載っています。
あえてEPAを使っていないなら、そうだろうけど・・・
例えばETCカードを使って高速道路に乗ったら割引がなされると思うけど、あえて使わない、またはETCを車に搭載してるけど正規料金を払いたいからわざわざ有人の料金所のゲートを通る行為と同じなんだけど、そういう人っています?
友達がいないから料金所の人との会話が唯一の楽しみって人以外、いないよね。
グダグダ書いてきましたけど何が言いたいかというと、今後ネットでの消費が増えていくしかない世の中で、店頭での対面での接客がない分、WEB上での見せ方や情報の伝え方ってもっと進化していくと思うんですけど、、、僕の感覚だけど、やっぱ『原価』を載せるというのは、ちょっと違うと思います。
少なくとも『原価』を載せるということは、それをセールス・ポイントの一つとして意図していると思うけど、それが本当の『原価』なのかどうかって、消費者から見て分からないよね。
考えてみてください。
お店に何かしら買いに行ったときに、店内で見たり、手にした商品に対して店員さんから『それは原価はいくらで、原価率は何%です。』っていちいち言われて、信じます?
それがWEB上での説明になると、なんとなく受け止められ方が誠実な対応をしていると・・・思われやすいのか。
もしかして、この原価表記は心理学をベースにした高度なマーケティング手法?!
ただこれって、『もし』その表記されてる原価が正しくなかったら、景品表示法に違反になったりしないのかな?
なんてことを思ったりしました。
いろいろ勉強になります。