長崎で本屋さん、ことインディペンデント系の本屋さんといったら、恐らくここが真っ先に挙げらるであろう『ひとやすみ書店』。
 
買いたい本や特定の本まで決まってなくてもとあるジャンルの本を買いに行くのは、やっぱ大手の書店さんに限ります。
 
ただ、店主さんの考えやもはや『生きざま』とまで言ってもいいだろう、そういう心意気を感じたいときは、独立系の本屋さんだね。
 
なんだろうな。
 
似たような感覚だと(違うかもだけど・・・(笑))、僕は、そしてもしかしたら他の同僚さんたちも、ナノ・ユニバースで働いているときは、心のどこかでは密かに思っていたよね。
 
自分たちはどれだけ規模が大きくなっても『洋服屋』であって、アパレル会社じゃないんだ!みたいなさ、なんだろうな、『気概』みたいなものを。
 
ま、ほとんどの人からしたら、『一緒でしょ?』ってな感じだろうけど💦
 
 

 
ひとやすみ書店さんは長崎市内を流れる中島川沿い、有名な眼鏡橋の近くにありました。

 
1Fにイタリアンのお店が入っているビルの脇、知らなかったら確実に通り過ごしてしまうような場所に看板が出ています。
 
 
毎日、いろいろな作品から店主が選んだ一節が黒板に書かれているみたいです。
 
この日は『来者の群像』より。
 
知らない本だったので調べてみたら、ハンセン病者の方たちへのインタビューをもとにした本みたい。
 
 
入口から見上げると3Fにお店らしきものがありました。
 
 
階段の途中に店主からのメッセージが。
 
 
店主の城下さんの思い・熱量がビシバシと伝わってきます。
 
お店に入る前から『読み物』が始まっている。
 
ここはもともとビルの1室だったんだろうな?と思わされる入口をくぐります。
 
 
店内は3人座ればギュウギュウになりそうな短いバーカウンターと、いわゆる猫の額(ひたい)ほど、4-5畳くらいのお世辞にも広いとは言えないお店です。
 
だけど、店主の方の世界観がビャンビャンに詰まってました。
 
店内の写真は、なし。
 
本が好きな人は長崎市内に行く機会があったら是非自分の足を運んで、その世界に入り込んで欲しいな。
 
ここの棚には本だけではなく、『何者からかの手紙』ってコーナーがあってそこには大量の封筒にそれぞれ〇〇からの手紙って印字されている手紙小説が150円で販売されています。
 
僕はこの『火曜日からの手紙』ってのを選んで買って
 
 
店内のカウンターでコーラと共に封筒の中の数枚の紙に綴られた手紙を読ませてもらいました。
 
 
もうね、感覚的にいうと『ほんとこれ!』って感じ。
 
内容というより、コーラを一杯飲みながら読むのにちょうどいい量の文字がね。
 
しかも、今日日手紙なんて読む機会、ほとんどないじゃない?
 
手紙形式の読み物を買ったというよりは、手紙形式の読み物を読む時間を買った。って感じです。
 
実際、今ではもう内容は忘れちゃってるけど(笑)、でも、コーラ片手にその手紙を読んでた時間をすごく『いい感じ』の時間だったと思った感覚は、今でも残っています。
 
世の中の情報やエンタメがどんどん動画化していっても、僕はやっぱり文字が好きだし、その文字が集まってできた文が好きだし、そして文が生み出していく文章が好きだな。
 
 
 
 
今となっては諸事情で消さざるを得なかった僕の初期のブログだけど、第一回目に書いたブログのエントリーでは、目指すは『便所の落書き』って書いたのは今でも覚えています。
 
もし、急にお腹が痛くなって公園のトイレに駆け込んだとき、ふと壁に目を向けると誰がなんの目的で書いたのかよくわからない文章、もはや物書きのプロが書く文章のまるで正反対のクオリティーの落書きってあるじゃないですか。
 
あれってさ、意味もないと分かっていてもついつい読んじゃう時、ありません?
 
昔、僕のブログを知った知人から『なんか読んでみたんだけど、ビックリするくらい全然得るものがないんだけど?』って言われて、最高の誉め言葉だと思ったね。
 
だってそれって、まさしく便所の落書きじゃん!
 
 
 
 
因みに公共施設のトレイの壁に落書きをするのは犯罪ですので、悪しからず。


ひとやすみ書店