道を一本入ったところに車を停め、そこからトンバイ堀のある小道を歩いてその窯元へ向かいました。
チーム・Sleeping Tokyoの3人。
三者三様全く異なる異能の人たち、数日間一緒に過ごして本当に素敵なチームだと実感した。
自分もまた三人とは違った個性を磨いて、いつか一緒に仕事ができるように。
小道の先にあった古びた門構え。
ただ、ここが普通の家でないことは門にかけてあるこの看板を見れば一目に分かる。
『宮内廳御用達』
江戸時代より現代まで、皇室に磁器を納め続けている名門の窯である辻精磁社。
今回の波佐見・有田の旅で、この窯が個人的には一番印象的でした。
玄関のインターホンを押すと第十五代の辻常陸さんが出迎えてくださり、玄関脇の事務所のような小部屋にあるお店に通してくださいました。
ここは常時オープンしているお店というよりは、お客さんが来たらその都度対応されているような感じでした。
棚には白と青を基調とした素晴らしい器の数々。
そして、ユウキが以前から面識のある息子さんの浩喜さんが見えられ色々と説明をしてもらい、浩喜さんの案内で短い廊下を進み奥にあった和室へ。
先程までの器が中心の部屋とは全く違った雰囲気に圧倒されます。
この部屋の左脇にはガラス什器があり、その中には皇室に納められた食器などが陳列されていました。
通常皇居で使われているという白と青の食器、外国からの来賓があった際に使われるという金箔が施された食器、天皇家の家紋である菊の御紋が施されたそれらの器たちは、恐れ多くて流石に写真に撮るのは憚られた。
この辻精磁社を訪れる前から、ユウキから『見ざる聞かざる言わざる』を自分で全てやってる猿の置物があることを聞いていたのだけれども、その猿の置物もこの和室に鎮座していました。
カッコいい・・・
そして何より、この発想が素晴らしい。
値段は、70万円。
うーむ・・・
今は唸るしかできない。
そして、この日はお休みということだったけれど、特別に工房を案内して頂きました。
この工房の雰囲気がまたなんとも言えない。
前日見て回った波佐見の窯元と完全に真逆の世界線上の空間。
全てが手作業。
棚の上に所狭しと積まれている白地に黒く絵柄だけが描かれているのは絵付けの見本で、過去の作品を再度製作する際にはこの見本の上から写しを取るとのことでした。
奥の部屋にもこの『見本』が大量にあるとのことで、まさに歴史の積み重ねを感じます。
この見本の時点で、既に美しい。
興味のある人はこの動画を時間があるときにじっくり見て欲しい。
動画内では皇室に納められている皿や辻家秘伝の極真焼などが取り上げられており、辻精磁社の世界観がすごく上手く表現されています。
↓
動画を製作しているのは、丸若さんかぁ・・・
今調べたら丸若さん、この辻精磁社と以前コラボもしてるのか。
最近、なんとなく自分がぼやっと『こういうことをやりたいなぁ』と思った先には、いつも丸若さんの足跡があります。
辻精磁社