品川駅、たった3ヶ月くらいだけど、19年くらい前の春、毎日通過してました。
当時も今と同じ駒沢に住んでいて、駒沢から表参道で銀座線に乗り換えて新橋まで。
そして、新橋からゆりかもめに乗ってお台場へ・・・
元々裏原宿のプロペラ通りにあるカジュアル衣料品を扱うお店で販売員として働き出したんだけど、働き出して1ヶ月くらいしたらさ、お台場のアクアシティーの中にある店舗に移動って言われて。
このアクアシティーに通うのが本当に辛かった。
そもそも通勤時間がそれまで駒沢から表参道まで10数分で良かったのが、1時間近くかかるようになりました。
特に、ゆりかもめが本当に嫌でした。
当時は今となっては信じられないくらいお腹が弱くてさ、ゆりかもめの芝浦ふ頭駅から次のお台場海浜公園駅までは海を越える橋を電車が走るんだけど、この二つの駅の区間が5分以上の乗車時間で考えただけでもいーーっつもお腹が痛くなってました、本当に!(笑)
海を超えてる時にお腹痛くなったらトイレに行けないんだから。
だからさ、海を越える前の芝浦ふ頭駅で一回降りて、そして『大丈夫か、俺のおなか?海超え、行けるか?』って毎回体調を整えて・・・これが毎日なんだから本当に苦痛だったなぁ・・・。
あとは定期代!
駒沢からお台場までの定期代が、2万数千円でした。
その内半分の1万円弱が憎きゆりかもめですよ。
どこの会社もそうだろうからしょうがないんだけど、当時定期代は後日給料の振り込み時に払われるシステム。
ということは、初めて駒沢からお台場までの定期を買う時は、立替しないといけません。
あの頃はアルバイトでお給料は13万円くらいでした。
今はなき伝説のいづも荘の家賃が6万円で、他に水道・光熱費だなんだと払ってたら・・・2万数千円もするお台場までの定期代を払う余裕なんてあるわけがありません。
なので、これもまた今はなき丸井さんの『赤いカード』のお世話になるしかないじゃないですか、だって定期代を買う余裕ないんですもん・・・。
どんだけ節約しても13万ちょっとのお給料じゃ、この2万数千円の定期代が捻出できなくて毎月赤字決算だったなぁ・・・。
そんなお台場で働いていたある日、店舗統括部長とかいうおっさんがお台場に来ました。
どうやら僕に会いに来る、と。
店舗統括部長とは会ったこともなかったし、周りの人から聞いてたのは、とある店舗の女性店長と不倫をしているエロオヤジ、という情報のみだったので会うのを楽しみにしてて。
当日、統括部長にアクアシティーの外にあるベンチに呼ばれて、言われたんです。
『エザキ、出世したいか?』
”はい!”
(遠くに見える看板を指差して)『エザキ、あそこにある看板、読めるか?』
”いえ、見えません。”
『次の仕事が休みの日、メガネを買え。アパレルで成功するには目が命だ。すぐにメガネを買え!』
って説教口調で言われたのを覚えています。
動物的直感で思いました、『この人の下で働きたくない・・・この人について行ったら、ダメになる。』って。
それに、『定期さえも買えないのにメガネなんか買う余裕なんかあるか、クソジジィ!!!』と思ったのも事実です。
次の休日。
僕は渋谷に行きました。
メガネを買う代わりに、自宅から近い渋谷で仕事を探そうと。
渋谷をプラプラ歩いていたら、タワーレコードの斜向かい、地下にあるお店。
それまで行ったことはないお店だったけど、なんかお店の名前の字面がいいなぁ・・・と思って入店したら、レジに『販売員募集』という紙が張り出してあったので、その日に自宅から履歴書をポストに投函しました。
これが僕がnano・universeに入社したきっかけでした。