合羽橋まで来たら、そこはもう本日のメイン・イベント『池波正太郎記念文庫』の目と鼻の先。

今日は断食のつもりで家を出たが、意思の弱い僕は遅めの昼食を取ることにした。

ググルマップを開くと、すぐ近くに純喫茶があるみたいなのでちょっと寄ってみることに。

店の前までくると、うーむ…


かなり渋い。

『シルクロードはSKDスターの憩いの場でした』

とあるが、SKDってなんぞや?

ただ、中では食事もできそうだし、安い。


一見さんにはかなり敷居の高いドア、中はおっさんばかりだろうが僕もおっさんだから、南無三と入店。


店内は、、、おっさんどころか全員お年寄りだった…

しかも、満席。

すると、じいさんとおっさんのハーフくらいの方が『ココ、座っていいよ。』と勧められ相席。

ここまで言われたら『だ、大丈夫です。』と退店は出来ないので腹を決めてピラフ定食を喰らうことにした。

店内のお客さん、マスター、マスターの奥さん、すべからく皆さま競馬をなさるみたいで、テレビの競馬番組に釘付けだ。

ちょうどピラフが出来た頃に一席空いたので、促されて四人がけのテーブルへ移動。

相席を誘ってくれた方に、ありがとうございました。と伝えて移動。


ピラフ定食は、泣けるほど美味くはないが、泣けるほど不味くもない。

要するに、普通だ。


飯と結婚相手は、普通に限るらしい。

これにコーヒーか紅茶が付いて700円はお得。


皆さま、競馬レースを見ながら楽しそうだ。

手持ち無沙汰なので、ピラフを食べながら僕も競馬を見つつ。

とあるレースはこと面白かった。

出走馬に『フクダイトウリョウ(副大統領)』という名前の競走馬がいて店内やんや盛り上がる。

しかも、そのレースにはもう一頭ヤバい馬が出走していて、その名も『オヌシナニモノ(お主、何者?)』。

凄いネーミングセンス(笑)

レースが始まりフクダイトウリョウはいきなり出遅れ最後尾だが、まさかのオヌシナニモノは先頭を引っ張る展開。

番組の実況者が『オヌシナニモノ』の名前を呼ぶたびに店内から『おめえー誰だよ!』などヤジが飛び、楽しい(笑)

しかもレースは最後までオヌシナニモノがトップ集団で最後は写真判定。

かなり際どいらしく判定に時間がかかっていたが、競馬の神さまみたいな風貌のじいさんが『オヌシナニモノ、逃げ切ったな…俺は目がいいんだよ。』とマスターと話してるのを聞きながら、お会計を済ませて店をでた。

競馬なんか全然興味なかったが、さっきのレースの結果は流石に気になりネットで調べたら、


オヌシナニモノは同タイムながら、ハナ差で2着。

競馬の神さまは、普通の競馬好きのじいさんだった。


P.S.

看板にもあったSKDというのはシルクロードの近くにあった松竹歌劇団の略らしく、20年以上前に解団してしまっているが倍賞千賀子さんらを輩出した当時は有名な劇団だったらしい。

店内の壁には古いサイン色紙が写真と共に飾られていて、正直全く分からなかったのだけど、宮本亜門さんが『元SKDだった母に連れられ子供の頃によくお世話になりました。』というメッセージ付きのサイン色紙がありました。

現在、還暦を超えている宮本亜門さんが子供の頃って、、、シルクロード、恐るべし。