久しぶりに面白い(というと不敬か?)本でガシガシとお風呂の中で読みました。

 

”陛下の御質問〜昭和天皇と戦後政治〜”


 

昭和天皇が崩御されたのが昭和64年1月7日なので、僕は当時9歳、小学校3年生だ。

 

この日は土曜日だったのは凄く鮮明に覚えていて、当時土曜日は今でいう半ドンで午前中だけは学校があって、昼に家に帰ったらどのテレビもひっきりなしに天皇が逝去されたことを伝えていたのを覚えています。

 

昭和の後の平成、そして令和を迎えた今、『開かれた皇室』という枕詞を良く耳にするのだけれども、それこそ昭和の戦前、戦中はまさに菊のカーテンの向こう側であった皇室で、人によっては戦争のこともあり昭和天皇にあまり良い印象を持っていない人もいるかもしれない。

 

ただ、自国の歴史など大切なことは印象だけで終わらせるのではなく、ある程度の勉強をそれぞれがし、その上で個人的な環境の違いや思想からくる『考えの違い』というのが自然であってほしいと個人的には思います。

 

この本を読了した後に、色々と調べました。

 

日本語には今ではあまり耳にしなくなった最高敬語というのがあるのか・・・とか。

 

太平洋戦争の終わりを告げた、世に言う『玉音放送』の玉音というのは『天皇の声』を表す最高敬語だったというのは知りませんでした。

 

この本を読んで、僕は皇室やこれまでの天皇の歴史をもっと詳しく知りたいと思ったよ。

 

個人的にも神社を回っているし、天皇の歴史と神道、神社は切り離せないものだし。

 

本の構成は非常にカジュアルなので、正座して読むような感じではなく、昭和天皇は非常にユーモアに溢れていた人なんだなぁ・・・あたたかい人柄に触れたような所感。

 

個人的に一つ印象深いエピソードを残すと、とある時に外国の要人が宮中に招かれ昭和天皇に謁見した際、『宮中にはどんな鳥がいるのですか?』と質問を受けた。

 

その際、学者肌だった昭和天皇は通訳の式部官に、鳥の名前を答えてもいいけれども、それを英語で訳せるか?と問われ、その時の通訳の式部官は、カラスやスズメなどは訳せるがそれ以上になると今辞書もないので自信がありません。と答えたらしい。

 

そんな通訳の式部官のギブアップの返答を受け、昭和天皇が外国の要人に答えたのが『普通の鳥です』。

 

素晴らしい気遣いとユーモアだよね。