世界のナカノさんと私が出会ったのは、いつくらいでしょうか、15年前くらいか。
出会ってからこれまでは普通の仲の良い(お互い独身の)友人を続けさせてもらってきました。
その関係に変化が起きたきっかけは、今年のお正月休み。
私は当時まだ未使用の青春18きっぷを数日分持っていたので、ナカノさんにどっか出かけないか?と誘ったところ、群馬県の太田市・太田駅前に太田市図書館に行ってみたい、と。
既に以前のブログでも書いているけど、僕は一人で出かけるなら高崎から回って、この太田駅から徒歩1時間の金山城を攻めようと思っていたので、こんなアラフォーおっさんの行きたい場所が群馬の太田駅なんてそれまで名前も知らなかった駅でクロス・オーバーしたことが大変な驚きでした。
結局、ナカノさんはこの旅には同行できず私一人のソロ旅になったのですが、ナカノさんが行ってみたいと行っていた太田市図書館は駅のすぐ目の前、ついでだから行ってみるか・・・この何気ないきっかけが、始まりでした。
子供の頃から本が好きだったのもあり、図書館は基本的に無料で利用できること、そして何よりも恒常的に私の週末はヒマなこともあって、まだ周りだして半年ほどですが、有名・著名と言われるような図書館にちょくちょくと足を運ぶようになりました。
これまでナカノさんが図書館建築に特化した建築士というのはもちろん知っていましたが、図書館を回れば回るほど図書館の魅力にハマっていき、そしてナカノさんが神のような存在に思えてきたのです。
図書館が好きになって巡り出したら、すぐ近くに図書館の建築士がいたなんて奇跡としか言いようがありません。
もちろん私はナカノさんと(勝手に)アドバイザリー契約を結んでもらい、色々と図書館建築についてアドバイスをもらっています。
私は個人的に尊敬ができる人ならば、その人との年の上下に関係なく、その人の言うことに真摯に耳を傾けます。
ただし、尊敬できないどうでもいい人の言うことには、プロ野球選手がヒーローインタビューで呪文のように繰り返す『そうですね』と真面目そうな顔で聞き流す悪い癖があるのです。
ナカノさんと出会ってから今年のお正月まで、私はナカノさんの話す99%の会話の内容を『そうですね』と聞き流していました。
ただし今年のお正月以降、ナカノさんが話す図書館建築についての話や建築家の先生の話には、自分でも驚くほど真摯に耳を傾けています。
もはや私の図書建築におけるメンター。
先日、秋田での夜。
ホテルで寝る前に、私はナカノ先生と電話で話して、その日訪れた国際教養大学の中嶋記念図書館についての連絡・報告をしました。
あとは、今後どのような図書館を回って行っていいかの相談もさせてもらいました。
そうするとナカノ先生は、暗闇の中で迷える40歳の子羊に一筋の蜘蛛の糸を垂らしてくださったのです。
『新居千秋を追え』
と。
〈続く〉