26才のクリスマス、僕は当時の彼女と無印良品店にいました。

彼女がクリスマスプレゼントとしてSALEコーナーの中から一個だけなんか好きなのを買ってくれるということだったので、僕は流行りに関係なくずっと着れるようにグレーの無地の長袖シャツを買ってもらいました。

中国製でした。

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もし、これが僕の友人から聞いた話だったら『ハァー?』と思っただろうけど、僕はそのSALEの中国製のシャツをクリスマスプレゼントとしてもらえたことを、とても嬉しかったコトとして記憶の浅い所に置いています、いつでも引き出せるように。

先日、僕は全く知らない他人のブログを読んでいました。

その人は、大好きなとある異性のアーティストさんのLIVEに行ったらしく、LIVEのオープニングで使われたキラキラ光るクラッカーの中身みたいなビヨーンって飛んできたのをゲットしたらしく、それをスゴく嬉しそうに写真を撮ってブログにあげてらっしゃいました。

まだ、アーティストさんが手で投げたキラキラビヨーンとかだったらまだしも、普通に機会仕掛けでアーティストさん全く関係なしのキラキラビヨーンをです。

そのアーティストさんのファンでもなんでもない僕からしたら、『えっ…?ただのキラキラビヨーンでしょ?』なんだけど、そのアーティストさんのファンの方からしたら、もう家宝みたいな存在なんだろうな、って。

それであの中国製のシャツを思ったんだよね。

当時、彼女は『アーティスト』さんで、僕はその『ファン』だったんだろうな、って。

そう考えるとスゴく共感できる。

26才のクリスマスプレゼントは僕は中国製のSALEのシャツだったけど、正直、道に落ちてる石を目の前で拾われて『ハイ、プレゼント』と渡されても嬉しかっただろうし、鼻かんだ後のティッシュを『ハイ、プレゼント』と渡されても嬉しかっただろう。

最高だよね。

大好きなアーティストさんと、ファンなのに、ファンの分際なのに付き合えてたってコトでしょ?

そんな大好きなアーティストさんとクリスマスに無印に行って、SALEの中国製のシャツを買ってもらえたってコトでしょ?

最高だよ。

世の中の女性はアーティストで、男性はそのファンだよ。

『お付き合い』というLIVEが終わった後でもアンコールをお願いしてるのは、いつもファンじゃない?