新卒で入職した特別養護老人ホームの同僚だった友人。
唯一、この1人の友人とは付かず離れず…という関係が続いている。
頻繁に連絡を取り合うでもないけど、
何かという時には駆けつける…みたいな、そんな感じ。
この友人は、今の住居である市営住宅の見学に付き合ってくれた人。
当時、ご家族が大変な状況であったにも関わらず、その時は私を優先して動いてくれた。
よく考えると、その時以来連絡を大して取っていなかったような。
私も何かと忙しく、彼の誕生日のおめでとう連絡も、まぁいいか〜と怠っていたりして。
お互いに放置し合っても何がどうなる訳でもないからそのまま…。
どちらかというと、私から連絡をすると返してくるような感じだったけど、
今年は珍しく彼から新年の挨拶連絡が来た。
思わず、「お、珍しい…」と呟いた。
そして、珍しく長くやり取りが続いた。
その中で、辛い経験をしていた事、
興味を持ってしている事、2点を初めて聞いて知った。
へぇーそうなんだぁ…と少し驚いた。
というか、そういう話をする機会がなかったのかも?
歳を取った今だから出来たのかもしれない話だったのかな。
お互いにピチピチの20代から知っているから、若気の至りを振り返って笑い合う事もあるけど、
今や「加齢オプションきついよね…」なんて事になっている。
同業者だから、何でもありな会話。
下ネタもなんのその。
介護福祉士だもの。
彼は何を言ってもひとまず受け止めるから、「失言」という観念も必要ない感じ。
とは言え親しき仲にも礼儀あり…で、
それなりのブレーキはかけるけど、
器の小さな相手に必要な気遣いは、
少なくとも彼には必要ない。
そんな気がする。
1番素のままで話せる唯一の異性。
付き合いも30年近くになるけど、
知らない事ってまだまだきっとあるのだろうなと思った新年の幕開け。
先日出演依頼をされ協力した、
「喪失」をテーマとしたアート展の事を彼に伝えたら、
「車を出すから行ってみる?」と言ってくれたから、行けそうだ。
都内での開催で、平衡機能障害で電車が恐くて利用を避けている私にはまず無理だ…と、
はなから行く事なんて考えもしなかったけど、まさか行くという選択肢があがってくるとは。
彼にも喪失体験があるし、
興味を持ってしている事も、
その美術家さんとの接点で広がったりしないかしら…なんて考えちゃったりしている私。
協力した撮影動画の編集されたもののチェックを…という美術家さんからの連絡はこれからだと思うけど、
アート展に行けるとなるとまた違った気持ちになってきたような。
どんな感じなのだろう…と、楽しみなような不安なような。
なにはともあれ、彼に感謝。
彼が興味を持ってしている事は、
私も中々興味を持っている事で、
また違った世界観を共有できそうな、
そんな予感。