舞台「新宿のありふれた夜」 | 泣いてなんていません!泣いて大人になるなんて 悲しすぎるじゃないですか2

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舞台「新宿のありふれた夜」
1989年代以降、東京、とくに新宿周辺にそれまで見なかったような雰囲気の
アジア人の姿をよく見る様になった。もちろん観光客ではない。彼らの多く
は新宿の裏通りの目立たぬ飲食店などで働いていた。若い世代は直接しらな
いだろうが、70年代後半のインドシナの激動、戦争がきっかけで当時アジア
には150万人近い難民が生まれていた。
その一部が密かに非合法に、当時アジアの隆盛をほかっていた東京にやって
きて働くようになっていたのだ。その東京は、というか、日本全体は、60年
代後半の激しい異議申し立ての時代の名残りを見事に消して、消費の煽動と
サブカルチャーが目立つ「非政治的」な時代に移っていた。60年代に元気だ
った青年たちは、うまく居場所を見いだせないままに、ぼやきつつ歓楽街を
うろついた。もっと元気だった暴走族も、都心からは締め出された。「新宿
のありふれた夜」は、そんな時代に、60年代世代とベトナム難民の若い(少
女と言ってもいいような)女性が出会う物語。

 

 

両国シアターχで上演された「新宿のありふれた夜」を観劇してきました。