今日はね なんだか ドリカムの「やさしいキスをして」が思い浮かんだの
久しぶりに歌詞をまじまじと読んだら こんなお話を作ってみたくなりました。
ＧＳ３のＰＳＰ版で 琉夏をクリアしました～。 琉夏エンドを見て 琉夏の過去を色々知ったら
この歌になんとなくシンクロしてしまった気がします。
琉夏だけじゃないんだけど、 ハリーであったり、別の人物であったり・・・色々込めて書いてみました！
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「そんじゃ・・・。」
君が少し淋しそうに手を振って別れた夕暮れ。
見送る背中が今にも消えそうだった。
あれからずっと なんだか凄く気になってた。
時計の針を見る。
午後９時。
携帯のボタンを押す。
「もしもし？」
３コールで君が出る。
「私！ もう寝てた？」
「いや・・・。大丈夫。どした？」
淋しそうな声が少し明るくなった。
「ううん、どうしてるかな？って思って。」
「声、聞きたくなっちゃったとか？」
君が笑って冗談言う。
「へへへ。そうだね。」
「・・・嬉しい。」
ぽつり君が答える。
「え？」
「あ、いや、なんでもない。」
ちょっと照れくさそうに誤魔化した。
他愛ない話をしているけど
今日の君はなんだかいつもと違う。
元気がない。
「あ、キャッチ入ってきちゃった。」
君が残念そうに言う。
「あ、うん。おやすみ、また明日ね。」
「・・・うん。」
「キャッチ出ないとでしょ？」
「あ、うん・・・。じゃ。」
名残惜しそうに君は電話を切った。
私はしばらく切れた携帯を眺めていた。
・・・やっぱり、行こう。
どうしても気になって、気が付いたら
私は君の家に向かって走っていた。
『ピンポーン』
玄関のドアが開く。
君が驚いて立ってる。
「どうした？」
「・・・うん。来ちゃった。」
「来ちゃったって・・・・。」
「なんか、今日は凄く淋しそうに見えたから・・・。
ちょっと心配になって・・・。」
そういう私の腕を君がつかんだ。
『ギュ』
引き寄せられて抱きしめられた。
『ガチャン』
後ろで玄関のドアが閉まる音がした。
「・・・ばか。危ないだろ？こんな時間に一人で外出るなんて。」
「大丈夫だよ。」
「大丈夫じゃない・・・。オレが。」
「・・・ばか。」
ぎゅっと君の背中を抱きしめ返す。
君の部屋はきちんと片付いていて
無駄なものがない。
悪く言えば殺風景。
だからこそなんだかちょっと淋しい気がしてならない。
「はい。」
君がマグカップを私にくれた。
「ありがとう。」
中には温かい白ココアが湯気を立ててた。
あったかい・・・。美味しい。
一口飲んで視線を感じた。
君がニコリと笑う。
私の隣にそっと腰を下ろした。
「・・・あったかい。」
「え？ココア？」
「・・・オマエ。」
肩と肩が触れ合う。
「・・・うん。」
「・・・本当はちょっと凹んでた。」
君がぽつり言う。
淋しいときってあるよね。
そんなときはいつでも呼んで。
私は君に会いに飛んで来るから。
「なんでも言って。
私じゃ力になれないかもしれないけど、
話相手くらいにはなれるよ！」
「・・・十分なってるよ。」
君が嬉しそうに笑った。
いつもはヒーローみたいに男らしくオレ様気どりなのに
今日の君は生まれて間もない子猫みたいに小さく震えて見えるよ。
私はそっと君の髪を触る。
サラサラの髪。
そっと撫でた。
「なんだかいつもと逆だ。」
君がクスッと笑った。
「たまにはいいよ。」
君の肩をそっと抱いて髪を撫でる。
まるで子供を励ますように。
今、君が凄く愛しいよ。
目と目が合う。
君がそっとその目を閉じた。
そのくちびるにそっと触れる。
やさしいキス。
君が眠るまでずっとこうしているよ。
大切な君。
こんなにも好きでたまらなくした
君は私の運命の人。
だから ずっと
これからも こうして
やさしいキスをして。
窓の外、走る車の音が小さく聞こえる。
君はいつの間にか安心した子供のように
私の隣で小さな寝息を立てていた。
ぎゅっと握りしめた私の手。
これからもずっと離さないで。
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＜やさしいキスをして（歌の歌詞ストーリー） ＜琉夏？ハリー？編＞ 完＞