一昨日の北海道新聞一面に出ていた。
地方の病院で、看護婦不足が原因で病棟閉鎖やベット数の削減が起こっている。
原因は都市部に看護師が移動するためである。
沢山の看護師を大病院で採用し、そこから地方の病院へ年単位で派遣して貰う。
それを道庁が率先して勧めると言うものである。
この考え方、どう思われますか。
私は基本が間違っていると思います。
この問題の根底は10対1の看護体制から、7対1の看護体制が作られたことにあります。
仮にベット数100床としてみます。
ここに必要な看護師数は10名でしたが、7対1の対応なら15名が必要です。
5名増やす必要があります。
こんな時一度に100名くらい増やせるのは総合病院や大学病院などです。
保険点数がアップしますから、収入考えれば7対1の看護体制に移行しようとするのが当然です。
既存の有資格者を集めるわけですが、大病院は都市部に集中しています。
給料が高く、夜間の看護師数の多い方が働きやすいです。
地方の看護婦の引き抜きの現状が生じてくるわけです。
ところで、大病院といえど余剰人員を抱えるでしょうか。
経営を圧迫するのは、業種を問わず人件費でしょう。
余剰人員抱えるとして、その為の費用は誰が出すのでしょうか。
協力金の名目で役所が補助金出すのでしょうか。
名目だけ都市部の大病院が採用し、実質賃金は派遣先の病院で出すと言う事なんでしょうね。
これでは派遣会社と同じでは無いでしょうか。
同じとするなら、派遣元にはそれ相当の費用が支払われると思うのです。
給金は本人に、+アルファーの部分は派遣元に と為りませんか。
そもそも、地方から都市部へ出てきた者を、派遣名目で地方へ出す。
これでは看護師の人格なんて無いと等しいと思うのですが、如何でしょうか。
多い方から少ない方へ移動させる、いかにもお役所の考えるやり方です。
賛成できませんね。
また、潜在看護婦の掘り起こしなども遣っているようですが、効果が出ているのでしょうか。
家庭があり家族がいるとして、働きに出られる範囲と時間は、ある程度限定されると思います。
数を増やすという発想では、たいした効果も期待できないと思うのは私だけでしょうか。
足りないから外国からとして、看護師の増員計っていますが、これも同じですね。
余った人間を資格を取らして働かしてやる、そんな様子が見えないでしょうか。
質より量の考えが先にあるように思えます。
1人が10人を見るより、7人を見る方が、質の高い看護が出来る その通りです。
しかし、その為には現在勤務している看護師がいなくなる病院が出てくるのは当然です。
基準満たせなければ、満たす範囲での運営となります。
ベット数削減は当然起こります。
國の計画ではベット数削減・急性期対応病院の削減が揚げられています。
逆説ですが、看護師不足は結果としてベット数削減をもたらし、計画的に進んでいるのではないでしょうか。
纏まりが無くなってきましたが、何でも派遣でと言う考え方、変です。
魅力有る医療遣っていたら、患者も職員も集まると思うのは私だけなんでしょうか。
政策も経営も、何か違っているように思えて為りません。