遺伝子トリビア
? ニュースや新聞の科学欄にかぎらず、最近は映画でもゲームでも遺伝子という言葉が出てこない日はありません。でも、みなさん実際のところ、どの程度ご存知でしょうか?何か怪しい、ややこしいものだと思っていませんか?もう少し具体的にわかればもっといろいろ楽しいのに。と思ってしまうのは生物学研究者の独りよがりかな。でも、そんな独りよがりを少しずつ書いてみたいと思います。
よろしかったら少し覗いて行ってください。
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背が高くなる遺伝子


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【マルファン症候群】

マルファン症候群と言う病気の名前を耳にされたことはありますか?
フランスの医学者、マルファンが報告したので
そのような名前がついていますが、
高い身長、長い手足、柔らかい関節など、
非常に特徴的な外見を示す遺伝性の疾患です。

この疾患の方は、意外に大勢いらっしゃいます。

アメリカ合衆国の調査では5000人に1人の頻度です。
アメリカ人が2億人と単純に計算すると、
40,000人もいることになります。
日本はその半分程度の頻度と考えられていますので
12,000人程度ということでしょうか。



超絶的な演奏と難しい曲を作曲したことで知られる
パガニーニやラフマニノフ

それにロサンゼルスオリンピックで金メダルを取った
女子バレーのハイマン選手などが知られています。

初代合衆国大統領、アブラハム・リンカーンも
この病気であったと言われています。


こうしてみると背が高くて運動や音楽に秀でて、
知的レベルも高そうだし、何の問題もなさそうですよね。

いい遺伝病だな~♪

と、一瞬思うのですが、



残念ながらハイマン選手が不帰の人となったように、
この疾患の問題点は、

心臓や動脈の血管がもろいことがある
視力が低くなりやすい
気胸や肺気腫を起こしやすい
というところにあります。

この疾患の原因は
フィブリリン-1
という遺伝子の突然変異であることが報告されました。
(1991年に報告されました。アドレス)

これは細胞外基質という細胞と細胞をつなぐ蛋白の一種で、
この蛋白ができないので細胞と細胞の間がゆるゆるになり、
骨も伸び放題、関節や動脈、眼の中の構造も柔らかくなる。

と言う風に考えられてきました。

ところが、2004年になって日本人の研究者が
別の遺伝子の突然変異が
この病気の一部の原因であることを突き止めました。
(アドレス)