「この大きさなら取れます。少し時間が掛かりますが頑張って下さい。取れるものは全部取ってしまいましょう」
医師はそう言った。
ひとつ、ふたつ、みっつ、よっつ。
大腸の最も奥までカメラが入って、そこから肛門に戻りながらポリープを取っていった。
細いハサミみたいなのがニョキッと出て来てポリープを切除していく。
鮮血がほとばしると、すかさず洗濯ハサミみたいなのでその部分を止血していく。
最後のふたつが少し大きめで苦戦していた。
自分はその様子が映し出されてるモニターを眺めながら、処置をしてくれている医師にひたすら感謝していた。
と同時に、最初に見た腫瘍は確実に今日取れるものじゃないな、と脂汗を流しながら確信した。
予定をオーバーして30分程で検査は終了した。
「頑張りましたね。取れるものは全て取りました。最初の大きいのは細胞を採取して検査に出します。しかし、これはいずれにしても大きい病院で診てもらう必要があります」
「このてのものがある人は胃にもある可能性があります。連日では大変でしょうが、明後日以降にでも予約をいれて必ず検査してください」
そう言って医者は検査室を後にした。
残っていた看護師がなんとも言えない表情を見せながら言った。
「連日で大変でしょうけど明日は大丈夫ですか?早くした方が良いかと思います。予約入れられますよ」
「お願いします」
そう答えた。