ほんの数日前までは、実験参加者として一同に会しあった
人間達なのに、既に実験開始3日目には、すっかり囚人役と
刑務官役の人間達の思考、行動パターンがそれらしくなって
きていた。「成りきり始めた」と言っていいだろう。
そして、人間は、「ある環境下におかれると、簡単に変貌を
遂げる。」という怖さを徐々に現し始める。
「恐怖」に雁字搦めに縛られた囚人役達、
<strong>「恐怖」</strong>に徹底的に立ち向かおうとする囚人役の主人公
<strong>「恐怖」</strong>を武器にする刑務官、
「<strong>恐怖と人間らしさの狭間で悩む</strong>」刑務官
どれも、一般社会の縮図ではないか。
<strong>イジメ、戦争</strong>等、特別なものと捕らえがちであるが、一般社会の
延長にあり、いつあなたは、囚人側になるのか刑務官側に
なるのかわからない。
あるいは、一転して逆の立場になるかもしれない。
模擬刑務所を脱走した主人公が刑務官役のリーダー的存在の
人間と格闘する場面があり、主人公が馬乗りになって、
刑務官役の男の首を絞めるシーンへ。
そのとき、本当の恐怖が私に訪れた。。。
<strong><span style="font-size:large;"><span style="color:#0000FF;">「殺してしまえ!」</span></span></strong>
私は、そう呟いていた。
頭の中で、私が主人公であったならそうするであろう、
だから、「殺してしまえ!」。。。と。
映画を見て、そんな言葉を無意識のうちに呟いたのは初めてだった。
本当に怖かった、自分自身もこうなるのだろうかと思うと。
主人公は、その後、首から手を離す、そして命を奪うことまでは
しなかった。
この映画の基になった実験は実在し、死傷者及び長期にわたる
精神的ダメージにさいなまれる人間を生むことになって
しまっている。
そして、その後、同様の実験は世界的に一度も行われていない。