● なぜ今、自治体が婚活イベントを開催している?
長野県内を始め、全国の自治体が婚活イベントを開催し始めています。
長野県内の出会いイベント(H28〜30年度)
自治体・社協など非営利団体併せて:年度毎195〜222回開催
実施団体数:78〜98団体が実施
季節に偏りが出るとしても、実に2日に一回開催されているかのような件数です。
● 結婚相談所登録者数比率から見る長野県の現状
【長野結婚マッチングシステム2019年9月1日時点の登録者数】
1,079名(男性795名/女性284名)
新規10件 削除25件 (更新2件)
男性74%:女性26%
という状況。なんと、長野県県内の結婚を求める男女の比率は7.5:2.5。特に人口の少ないエリアでは深刻な状況になっています。
● ほっといても結婚が発生しにくくなった!?
『草食系男子』という言葉とセットで『未婚・晩婚・非婚』などの言葉が広まっていく時期がありました。コンビニエンスストアの汎化や、スーパーマーケットの営業時間の多様化は、家族で役割分担しながら生活していた時代を、一人で問題なく暮らしていくことができる時代に変化させました。家族で暮らす煩わしさが排除され、一人暮らしの快適性が向上し続けています。
今や、一人で生活していることの快適さが、異性への関心を上回る状況です。肉体関係や性行為が煩わしいという感覚を持つ若者が増加しています。
● なんで草食系が現れた!?
生活の快適性が上がれば上がるほど、ストレスは減っていきます。『ストレスが減ることはいいことだ』と思われる方が多いでしょう。しかし、人にはストレスが減ることに付随して減る能力があります。
それは『ストレス耐性』。
人は、厳しい環境であればあるほど本来持っている強靭さを発揮します。人はストレスに晒されることで、その対処を導き出す必要から、結果的に強くなります。基本的に人は、人からしかストレスを受けません。つまり、快適な一人暮らしは人間関係ストレスへの耐性を下げることにつながっているとも考えられるのです。暮らしの快適性が上がれば上がるほど、対人関係の煩わしさが増すという矛盾を生んでいます。
● 優しくなり過ぎている!?
恋愛や結婚、異性との関わりが煩わしくなった要因は、ストレス耐性の弱体化にあると考えられるのですが、このストレス耐性の弱体化を、他の言葉で言うと、
『他者の感情に対して過敏』
と言えるかもしれません。恋愛や結婚、異性との関わりには肉体的な接触だけでなく、精神的な接触も伴います。いわゆる草食系というのは、肉体関係への無欲さを表すのですが、特に肉体関係は、自分の行為の良し悪しがダイレクトに相手に影響するため不安が伴います。自分の行為をパートナーが喜んでくれれば安心するものの、不満を感じていることを察知した際のショックは、以後の不安に直結します。これが、肉体関係が煩わしくなっていく主な要因と考えられます。自分に与えている快適性が高ければ高いほど、他者の快適性を損なったショックは大きくなります。
優しくなり過ぎて、他者に過敏になっているとも言えるのかもしれません。
● 関わらないと関心が湧かない
自治体が婚活イベントに乗り出している理由は様々ですが、主な目的は『少子化対策』『人口減少対策』ではないでしょうか。これに『生涯未婚率の改善』が含まれることで、「若者に対する住民福祉」という意識で取り組みを始めている自治体が増えてきました。
恋愛や結婚は、データで把握しにくいところがあります。結婚数で考えるのか、出生率で考えるのか、人口比率で考えるのかなど、多岐に渡ります。増えたか減ったか、何と比べてかという分析も大切なことですが、シンプルに考えると「過疎化にストップがかからない」ということが言えるのではないでしょうか。
『田舎暮らし』という言葉も一時流行し、『地域おこし協力隊』も脚光を浴びました。『移住』という選択肢も増えているのではないでしょうか。しかし、根本的な解決につながっているかといえば、手応えがあると答えられる地域は限られているように思います。
単純に過疎地の『人口減少』に対して『婚活イベント』は直接的かつ、結果が見えやすい対策として導入に踏み切る自治体が増えています。
放っておいても増えない結婚、止まらない未婚・晩婚・非婚。
恋愛や結婚を意識するような出会いでなければ結婚を後押しできない。そう気づいた自治体から積極的な取り組みが始まった。そういった流れがきているのでしょう。
● 自治体と民間のジレンマ
長野県では、県が結婚を後押しするマッチングサイトや、婚活関連の情報を発信するサイトなどを運営しています。もともと知名度の高い『信州』というブランドは、県外からの注目度も高く、ここへの掲載による集客や問い合わせ結果から、それを実感することができます。
自治体が婚活イベントに踏み出したのは大変すばらしいことですが、問題がないわけではありません。それは
『民間事業者とのジレンマ』
婚活イベントといえば、民間事業が発信元でした。基本的に会費運営です。規模感にもよりますが、男性がやや割高、女性がやや割安のようなイメージがあるのではないでしょうか?
そもそも、民間企業の事業の目的は『利益追及』であるのに対して、自治体の行政サービスの目的は『福祉』です。民間企業のイベント運営資金は経費をかけて利益を得る『投資型』であるのに対し、自治体の運営資金は各種補助金を含めた『税金』です。イベントを開催する際の参加費に大きな差が出ますし、内容の追及へのモチベーションに大きな差が生まれます。
婚活イベントに参加する側からすれば、多様性が広がったと考えればメリットになりますが、民間事業者が開催するイベントと行政機関が行うイベントには大きな格差があります。
● 婚活イベントなのに結婚につながらない?
民間事業者が行う婚活イベントは少なくとも二分されます。
・ とにかく結婚につなげることに集中されたイベント
・ イベント自体の楽しさ、参加しやすさに特化したイベント
これは、利益追及の形として当然の形です。これに対して自治体のイベントには難しいポイントがあります。
・ 結婚を発生させたいが、無難なプログラムにしたい
・ 住民全体の声に沿う形が望ましい
・ 住民全体に広く漏れなく告知しなければならない
読めばそんなに高いハードルに見えないかもしれませんが、これらは大きな矛盾を抱えています。
結婚には努力と工夫が必要です。共に生活する人を『選ぶ立場』であり『選ばれる立場』でもあります。もちろんイベントを行えば競争も発生します。
自治体は極端にクレームを恐れます。それが婚活に直接関係しない方の意見であっても無下にできません。民間事業者が目的達成のためにターゲットを絞り込んでいくのに対して、自治体は福祉の観点で物事を考えます。これが自治体の使命であり、困ったときに助けてもらえる日本の良さです。しかし、婚活イベントは恋愛感情を伴います。
● 婚活にはショックが必要!?
人は、ストレスがかかったときに本来の能力を発揮します。婚活がいくら流行ろうとも、それを必要とせずに結婚している方は多数いらっしゃいます。違いは何か?
それにはたくさんの要素がありますが、その中でも大切なのが『努力と工夫』です。この努力と工夫は、ショックやストレスがない限り自然発生しにくいと考えていいでしょう。人は、困難を乗り越えることで成長してきた生物です。
こういった要素に対して、勇気と覚悟を持って取り組んでいる自治体の婚活に結果が伴っているのかもしれません。ここに踏み込めず転ばぬ先の杖のようなイベントは、いずれ結果を問われた際に困ります。
● すでに答えが出ている!?
少子化・人口減少・生涯未婚率などといった社会問題が、特に小規模の自治体では重要な課題になっています。
かといって自治体には人手もノウハウも足りていない…。そこで長野県内では、婚活イベントを委託受注してくれる業者を募るプロポーザル(コンペ)を実施する自治体が増えています。資金を自治体が用意し、運営を民間に任せる。行政と民間の共同作業の形です。
しかし残念な点が残っています。この受発注の形式は、お金を払う側・もらう側という上下関係が発生します。結局は、行政が求める形を民間にやらせる雰囲気が発生しますし、業者はプロポーザルの段階で「行政の方が喜びそうな内容のイベント」を提案せざるを得ません。
そして概ね、そういった提案が採用されます。残念ながら、行政担当者が直接運営しているイベントと大差ないものに落ち着くことが少なくありません。
● LLPは違った?
最後に、LLP.マリッジローカルコネクトの取組みについて触れておこうと思います。
LLP.マリッジローカルコネクトは、婚活コンサルティング会社ですが、コンサルティングだけでなく、イベントの企画運営も行います。婚活イベントは、数を打てば当たるものではないことを証明できるようなイベント結果を持っています。しかもイベントのほとんどが自治体との共同開催です。ポイントをいくつか紹介しましょう。
● 大切なのは「つなぎなおす」こと
そもそも、婚活イベントとはなぜ発生したのか?を知る必要があります。ここでは長く説明できませんが、ポイントは、
・ 日本型お見合いシステムの中核を担っていた仲人の消滅
・ セクハラ、パワハラという言葉による弊害
・ 弱者救済に便乗して増殖したわがままな人たち
挙げだすとキリがありませんが、旧来、日本の結婚は基本的にお見合い結婚でした。第二次大戦後、アメリカ文化が大量に流れこみ、映画やドラマなど、目新しいものが溢れ、もともと様々な技術や文化を取り込み、モノにしてきた日本は、これらももれなく対応・順応していきました。
どんなことが起こったか?
『自由・感情・インパクト』を正しいとする風潮や基準が広がりました。
つまり、お見合い結婚は「心を伴わない偽物の結婚」のように見えてしまうようになったことでしょう。私個人としても幼少期には、そのように感じていました。
一気に恋愛結婚が増えました。果たしてどんなことが起こったでしょう?恋愛結婚の増減を表す統計があるのですが、恐ろしいことに、恋愛結婚の増減に3年遅れる形で同じ波形の増減を表すグラフが重なります。
『離婚率』でした。
● そもそも子供の幸せを考えない親なんて、超少数派
なぜ、お見合い結婚は偽物で、恋愛結婚が本物なのでしょう?これが現代日本で切れてしまった線、つなぎなおすべき線が何なのかを示してくれます。
そもそもお見合い結婚は、親や、親のような立場である仲人さんが男女を引き合わせることで成立します。
ドラマや小説では意に沿わない結婚などが描かれがちですが、現実は異なります。そもそも子供の幸せを考えない親なんてごく少数です。
つまり、旧来日本で当たり前だった『お見合い結婚』は、
「この子には、こんな相手が合うだろう」
という、親目線での“見立て”を伴った縁談だったというわけです。
感情や直感(さらに性欲中心の目線)に任せた恋愛結婚の増加は、離婚を増加させ、恋愛結婚の減少が離婚を減少させるという統計につながっています。
今、結婚を機に求められているのは、『絆をつなぐ』ことなのかもしれません。余計なお世話と言われるかもしれません。けれども小さな頃から自分を見てきた人の見立てと直感には愛情が含まれます。
セクハラやパワハラ、結婚しない選択肢を認める風潮など、本来、弱者を救済するために広がった概念を弱者ではない人までもが主張し始めることで、文化や絆は一本ずつ、少しずつ、しかし日本各地で切り離されていったのではないでしょうか?
これらをつなぎなおすことは困難ですが、不可能ではありません。
次の時代に適した新たな繋がりの形を模索する必要があります。LLP.マリッジローカルコネクトは、そんなことを考えながら婚活イベントに取り組んでいます。
● じゃあ、どんなことをやってるの?
マリッジローカルコネクトの婚活は、大きく分けて3つのパターンがあります。
① 県内・近距離・地域内の出会い
② 都市部女性 × 信州男性➡︎ご招待するパターン
③ 都市部女性 × 信州男性➡県外に出向いて開催するパターン
それぞれに細かな工夫を凝らしていますが、ポイントは都市部とつながるところにあります。これらには結婚による移住、出産による人口増加という二重のメリットがあります。
特に運営において気をつけている点があります。
● 対等な関係でなければ結果は出ない
前述にもあった通り、自治体と受託業者に上下関係が生まれると相乗効果が発揮されません。LLP.マリッジローカルコネクトは、民間と自治体の双方を経験したスタッフで構成されているため、自治体と民間、それぞれの強みと弱みを把握しています。つまり、相乗効果が発揮される方法と、そうでなくなるパターンを理解しています。
一番大切なのは、『一緒に作っていく』ことです。自治体からの発注の際、どんなに小さな仕事でもいいので自治体担当者に参加してもらいます。
「発注者だから」「受注者だから」という立場を分けたとき、「やらせる側」「やる側」という隔たりが発生し、お互いの強みを活かし合う道は途絶えます。
本来、プロポーザルやコンペだけでなく、金銭の授受、サービス、商売というのは、買う側が高位で、売る側が低位ということはありません。
お金を払う側は、自分ではできないことや、できるけれど手間なことをお金で解決しようとしています。つまり、やってくれる人やサービスを求めている、困っていると捉えるとわかりやすいでしょう。
かといって、困っている人に提供できるモノやサービスを持っている人も高位ではありません。そこから対価を得ているわけです。
つまり、お金を払う立場と、サービスを提供する立場は本来対等です。お互いに求めているものを交換しているに過ぎません。近年なのか、旧来なのかわかりませんが、お金を払う「お客様」を神様などと言うのが一般的かと思います。
これは、商売の手法であり、いい気分にされてうまく使われているということもあるでしょう。気をつけておきたいところです。
立場を超えてタッグを組むとき、そこにお金という媒介が入ることが一般的ですが、『対等』であることを忘れたとき、特に婚活イベントはうまくいかないように思います。
また、表面上うまくいっているように見えて、結果が付いてこないのではないでしょうか。
● おわりに
本来、婚活イベントは小規模自治体に向いています。1万人を超える自治体では、その内部だけで未婚男女を集客し、イベントを開催することが可能ですし、年間多数の結婚者が生まれます。そういったイベントは、あくまで「内輪(うちわ)」で開催している雰囲気が生まれ、その圏外からの参加者が不利になる空気が生まれてしまいます。
LLP.マリッジローカルコネクトで開催するイベントは、小規模自治体が複数共同で開催することを想定しています。これにより「地域内でイベントを開催しても参加者が少なくてできない」という問題が解消できます。
また、中〜大規模のイベントを都市部で開催することで、都市部在住の参加者は、幅広い地域を知ることができ喜ばれています。
また、移住結婚という形式を取っていますが、地域外から結婚を機に移住し、家族になる方は、その家族だけでなく、地域からの歓迎を受け、喜ばれながら新たな人生のスタートを迎えています。
これまで、過疎化が進み、婚活イベントをやりたくてもできなかった小さな自治体の解決策が生まれています。
婚活イベントは、結婚を発生させ、人口減少対策になります。しかし、婚活イベントをするだけでは根本的な人口減少対策にはなりません。
ポイントは『人口増加の循環を作る』ことです。現在、すでに発生している結果から逆算して考えたとき、過疎地域には“人口が減少する循環”があり、都市部には“人口が増加していく循環”があります。また、もう少し大きな視点で見れば、日本には“都市部に人口が集中する循環”があり、地方には“人口が流出する循環”があると言えるでしょう。
これを乗り越えることが本当の人口減少対策になります。多くの小規模自治体が人口減少していく統計を突きつけられています。しかし、なぜか人口減少が起こっていない小規模自治体や、人口が微増している小規模自治体もあります。これはなぜなのか?
それはきっと、立地や条件、環境要因もさることながら、それだけではないはずです。婚活イベントは、これらを考える“きっかけ”になります。ぜひ、ハードルを上げ、自らにストレスをかけてください。きっと必要なアイデアが浮かんでくるはずです。
『こんな問題を乗り越えるアイデアが見つかったらいいな』と思いながら取り組むのと、取り組まないのでは、始めは感じられないほどの小さな違いでも、続けていった後に現れる差は非常に大きなものとなります。ぜひ、何もわからずとも考えながら進めていただければと思います。
また、ご興味をお持ちいただけましたら、いつでもLLP.マリッジローカルコネクトまでご連絡ください。喜んでお待ちしています。
LLP. Marriage Local Connect Ayaka Kimura & Masatoshi Hashimoto