好意があったからといって、何かアクションをすることはなかった。

なるべく関われるように頑張ったり、挨拶したり。

向こうからの何の他意もない言動にドキドキする日々。

他の人からではなく、わざわざ私から物を借りる。

Bさんに物をプレゼントした時に恥ずかしそうに後日お礼を言われる。

落ち込んでいた時に夜までそばにいて慰めてくれた。

祭があれば、Bさんを誘い出し、一緒にご飯をたべながら、花火をみた。

気持ち悪い話だが、この時、同じ箸を使ってご飯を食べて内心、ドキドキしていた。

他の人からすれば、好意ではなく人として思いやりや親しみからくる言動だと分かるが、

私には全てが思わせぶりに見え、自分を受け止めてくれている思い、ときめいていた。

 

その後、簡単に会えなくなることをきっかけに勇気を出して連絡先交換した。

メールをたまにやりとりしたり、ひさしぶりに会ってたわいもない話をして写真を一緒にとってもらったり

今までの私とは全く違う接し方をしていた。

 

それでも告白、なんてものはする勇気もなかった。

そのため会わなくなった6,7年後もまだBさんを好きでいつづけることになる。

過去にすがりついて、自分の想いに懐かしむ。

全くもって地獄である。

会うこともない、また話すこともないBさんを忘れられずにいたのだ。

 

そして、メールで結婚したことを報告され、失恋した。

告白のない、静かな人生初の失恋だった。

 

初恋ではなかったが、それに等しいほど

この人には色んな感情があった。

憧れ、楽しさ、愛しさ、寂しさ・・・

 

Bさんはいつも笑顔で楽しそうだった。

もちろん怒ることもあったが、ポジティブな印象が強かった。

そんなBさんを慕う人は多く、私も憧れていた。

 

出会った当初はそこまで接点がなかった。

見かけはするも挨拶だけ。

そんな時、ある朝、Bさんが話しかけてきた。

私が持っていたバッグを指さして「私も好き」といった。

あるアーティストがデザインしたバッグ。

二人ともそのアーティストが好きだったのだ。

 

そこから二人だけで話すことが増えた。

CDを貸したりすることもあった。

Bさんは返す時にいつも嬉しそうに感想をいった。

とても嬉しかった。遠くでただ存在だけしていたBさんが私と話している。

私を認識してくれている。

夢のようだった。

 

いつしかBさんに好意を抱いていた。

「好き」なのか「憧れの好き」なのか。

何がきっかけでそう思ったのか。

今でもわからない。

ただよく笑うBさんのことが好きだったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これは私の回想記。

幸せな記憶をただ書き残すだけ。

いつかまた年老いた時、あの頃の自分が誰を想って、目で追って、胸を熱くしたかを

思い出すためにただ書く。

 

過去を振り返ったところで何も役には立たない。

むしろ過去にすがりつき、未来を向くことができない。

それが今の私。

過去が好きなのだ。

だがこの今も含めて、未来の私からすれば、全て過去なのだ。

 

過去では多くの人と出会った。

特に3人、私にとって忘れられない人たちと出会えた。