先入観をなくす事は、暗闇を手探りで進む様で勇気のいる行為かも知れない。
でもそれをやらねば、俺たちの人生をつかさどるタイミングという壁を超える事は出来ない。
やりたい事はやりたい時にするがいいさ。


セミの一生は大半を地下で過ごす。
7年間だ。
セミの幼虫だと言う。
幼虫だと勝手に決め付けているのは人間であって、本当はセミは「地下で生活する生き物」なのかも知れない。
オケラやミミズみたいに地下で生活する生き物なのかも知れない。それはそれなりに幸せな生活なのかも知れない。
夏、地上に這い出てきたセミたちは、喚く様に、うるさいくらいに鳴くが、1週間もすれば地面に腹を見せて転がり、そのうち誰かに踏み潰されて枯葉と見まごう程にからからに乾燥し、羽を残して土に返って行く。
その短い1週間の命をして、人に「もののあはれ」を感じさせるが、チョッと待て
セミは7年も生きる虫の世界の長老なのだ。
哀れでも何でもない。
7年も生きる虫が他に居るか?
生き過ぎる位生きている。生命力のかたまりだ。
セミはセミとして飛び回っているときは、すでに老人なのだ。
老人ながら激しく受精行為をして子供を産む
1週間、喚き、飛び、樹液を吸い、子供を作る。
想像して欲しい、老人達が直管マフラーから爆音を撒き散らし集団暴走行為をする様を。
老人達がイカしたナオンをパーナンしてやりまくる地獄絵図を。
パーティ三昧の老人達。
セミはそれをやっている。
セミに出来て俺に出来ないわけが無い。