24-05-12 1713高速太陽風849㌔/sとSOHO吹雪・12日18時頃乱れ地球到来 | LIZABSTRACT

LIZABSTRACT

♡ Can you feel my heart beat? ♡
プロフィールに書いています。無断転載お断りしております。

 


 

 

 

2024/ 5/12 14:31 更新
磁気圏の激しい乱れにより、日本各地で低緯度オーロラが観測されました。

担当 篠原

太陽風の激しい乱れにより、磁気圏の活発な活動は続いています。

昨夜は北海道から本州にかけて、
広い範囲で低緯度オーロラが観測されました。

北海道名寄市のなよろ市立天文台きたすばるのX
北海道陸別町の銀河の森天文台のX
青森県で
KAGAYAさんのX
宮城県の仙台市立天文台のX
石川県能登半島の星の観察館「満天星」のX
など、たくさんの観測報告が見つかります。

国立極地研究所の片岡さんが、
各地のオーロラ観測報告をまとめてXに地図を公開しています。
このまとめによると、今回は愛知県が最南端だったそうです。

ちなみに、昨夜の鹿児島県は曇りと小雨で、
片岡さんの地図に中国地方以西の報告がないのは、
天気の影響もあるのだろうと思います。
私も南限記録を広げようと霧島の山に出かけたのですが、
雲が切れることはありませんでした。
もし星空が見えていたらどうだったのでしょうか・・・

今日の
spaceweather.comでは、
メキシコのオーロラが紹介されています。
1か月と数日早ければ、
皆既日食と低緯度オーロラが同時に見えたかもしれません。


現在の太陽風は、
速度は700km/秒から900km/秒へ更に高まっています。
一方、40nTに強まっていた磁場強度は、
次第に低下して、7nTと平均的な状態に戻っています。

激しい磁気圏活動をもたらした磁場の南向きの変化は、
昨夜遅くまでは-20nTと非常に強い状態が続きましたが、
今日未明に北向きに切り替わり、
以降は、磁場強度が弱くなったこともあって、
通常の南北変化の大きさに戻っています。

AE指数を見ると、
磁気圏の活動も、グラフの途中までは
1500nTを超える激しい変化が続いていますが、
後半は、1000nT前後の通常の活発な変化に留まっています。

磁場の南向きの変化は小さくなりましたが、
速度がかなり高まっているので、
磁気圏の影響は大きい状態が続いています。

Dst指数の速報値は、
昨日の昼、11日11時台(世界時11日2時台)の値が、
-412nTに修正されています。
その後は磁気嵐が次第に弱まっていて、
現在は-167nTまで戻っています。



続いて、昨日の昼、11日10時(世界時11日1時)に発生した
X5.8の大規模フレアのCME(コロナ質量放出)の様子を、
SOHO衛星LASCO C2、C3の動画で紹介します。

黒点群が南西側(右下)に進んでいたので、
CMEは右下寄りに飛び出しています。
それでも、太陽の左側に広がるガスも見えているので、
影響は地球へやって来るのではないでしょうか。

NOAA/SWPCの太陽風予報では、
今日の夕方、12日18時(世界時12日9時)頃に
乱れが地球に到来
する可能性がある様です。
(動画の中のCMEの発生タイミングから、X5.8の乱れだと思います)

磁場が再び南向きに大きく変化すると、
磁気圏の活動も再び激しくなるでしょう。
今回の一連の乱れの最後の高まりになるかもしれません。
変化に注目して下さい。

このSOHO衛星LASCO C2、C3の動画では、
途中から白いノイズが目立つ様になっています。
これは、フレアに伴って発生した非常に高速の陽子(太陽放射線)
が地球へ(SOHO衛星へ)やって来た
ことを表しています。
この見え方から、snowstorm (吹雪)とよばれています。
静止衛星のGOES衛星でも増加が観測されています。



3664黒点群では、
昨夜、11日20時半(世界時11日11時半)にX1.5の大規模フレア、
12日0時(世界時11日15時)にM8.8の中規模フレアが発生しています。
SDO衛星AIA131の動画を掲載します。

可視光写真では、3664群は太陽の南西の端に近付いています。
このため、今後の活動では地球へ影響は及びにくくなります。
向こう側へ進むまで、活動に注目してください。

 

 

 

 

 

 

 

 

snowstorm (吹雪)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

https://services.swpc.noaa.gov/images/aurora-forecast-northern-hemisphere.jpg