これも朝鮮族の彼の話。

彼は経済学部の3年生。

彼の夢は、大学を卒業したら、日本やアメリカに行って、

レストランを経営してお金を貯め、中国で自分のブランドの洋服を作ることです。

「中国には若い男の人が着たくなる服がないから」とのこと。

確かに、中国のファッションはかなり発展途上で、

特に男性向けのおしゃれな洋服なんて見当たりません。


印象的だったのが、

「私は弱肉強食という言葉が好きだ。

勉強して努力した人はどんどんお金持ちになる。

ダメな人は貧乏なまま。

私は競争するのが好きだ」という彼の言葉。

聞いたときは、ちょっとびっくりしてしまいました。

私はこの言葉に、「ああ、彼は中国に生まれ育った人なのだなぁ」と感じました。

今の中国は、貧富の差がどんどん開いているのです。

中国人学生は朝から晩まで、休日も、とてもよく勉強しています。

それはきっと、今の努力が将来の成功を、

ひいては人生を左右するからなのだと思います。


私は経済の話にはまるきりうといのですが、

今の日本はすでに豊かになりすぎて、

若い人などは競争しようという闘争心、ハングリーさはあまりないのでは?と思います。

少なくとも、彼を目の前にしていると、そんなふうに思えてきます。

「日本人は一生懸命働いているから、とても発展しているよね」という彼に、

「でも最近の日本は、仕事のない人も多いし、

勉強しない若者も増えているから、ちょっと心配だよ。

中国人学生はとてもよく勉強しているから、

中国(の一部の人)に日本は追い越されてしまうかもね」と言ったら、

「中国が世界で一番強い国になるんじゃないかといわれているけど、

私はそれはないと見ている。

中国人には何かが足りないから。何かは分からないけれど」

という、興味深い答えが返ってきました。


彼は、「日本でレストランを開いたら招待します」と言ってくれました。

彼はこれから、どんな道を歩んでいくんだろう。

いつか本当に、そんな日が来るといいな、と思います。