今、私の相互学習の相手は3人いて、
そのうちの1人は朝鮮族の男の子です。
韓国人の両親のもと、韓国文化に囲まれて育った彼は、
韓国語がぺらぺらで、毎日の食事は韓国料理、好きな歌手やテレビドラマもすべて韓国のもの。
中国人だけど、彼の文化は韓国なのです。
今、彼のお父さんは韓国に、お母さんは日本に住んでいるそうです。
中国は56の民族で成り立っていて、
そのうちの大部分を漢族が占め、残りの55は少数民族です。
少数民族は、それぞれに独自の文化、習慣を持っています。
彼はそのうちの一つの民族に属しているというわけです。
私の通う大学の中国人学生の中にも、おそらくいろいろな民族がいると思います。
単一民族である日本にはない、
同じ中国人だけど、文化が異なるってどんな感じなのでしょう?
そこで、彼に質問してみました。
朝鮮族は、ほかの中国人からは、まるで韓国人のように見られているそうです。
朝鮮族は団結力が強いから、学校の中でも朝鮮族の学生同士はいつも一緒にいるそうです。
そして、朝鮮族は韓国語が上手で中国語が下手。
でも、彼は中国語のほうが上手いから、漢族の友達も多いし、
日本人の友達もいます。
彼は特別なのかもしれません。
そして、いろんな民族の人が大学に入るため北京にやってきて、
馴染めるものなのかたずねてみると、
彼自身は北京に来てもギャップはなかったそうですが、
北京のような都会の人と異なるのは、
新疆、西藏(中国の一番西側の地域)の人たちだそうです。
彼らの顔はパキスタン系で、見ただけですぐに分かるとのこと。
民族が違うと、食べるものが違うので、、
豚肉を食べない彼らのために、学校には彼ら専用の食堂があり、
彼も行って食べたことがあるけれど、おいしくなかったそう。
やっぱり、民族が違うと文化や習慣がかなり異なるため、
他民族との交流は難しいみたいです。
そして彼は、中国で少数民族が成功するのは難しいと言っていました。
政治の世界では、重要なポストはすべて漢族が仕切っているそうです。
民族の団結を象徴するため、少数民族の官吏もいるけれど、
重要なポストには就いていないとのこと。
ということは、漢族にとって都合のいい政策をとっているということなのだろうと思います。
中国に生まれたこと、そして少数民族に生まれたこと、
それだけで人生が大きく変わるのだろうな、と思いました。
日本は単一民族だし、生まれた地域で独自の習慣や方言もあるけれど、
中国の、民族同士の隔たりはレベルが違うようです。
民族が違うと、まるで外国人です。
広大な中国ならではです。