我が国の浮世絵をはじめとする文化がヨーロッパにジャポニズムとして数多くの芸術家たちに影響を与えたことは有名ですが、フランスに『エッフェル塔三十六景』なる浮世絵があると聞いて気になって調べてみました。

$Cafe latteのブログ

『エッフェル塔三十六景』の作者はアンリ・リヴィエールというフランスの画家。彼の作風はどことなく現代のバンドデシネ(漫画)の巨匠たちを思わせます。

Exposition Henri Rivière 投稿者 BNF

そんな彼が葛飾北斎の『富嶽三十六景』に影響を受けて当時建設中であったエッフェル塔を軸として制作したのが『エッフェル塔三十六景』。エッフェル塔版の三十六景が存在したなんてちょっと驚きですよね。

日本でリヴィエールといえば『エッフェル塔三十六景』のみが取り上げられている為多少もどかしくはあるのですが今回はエッフェル塔三十六景のうち判別が可能なもの、代表的なものをチョイスしてグーグルアースで現在の姿を見てみたいと思います^^

Cafe latteのブログ
第五景、ベートーヴェン街より

パリ16区にあるRue Beethovenはプレジダン・ケネディ通りとドレセール通りとの間にございます。長さ117メートル、幅15メートルほどの小道でリヴィエールが描いた時点ではもう少し道幅があったようです。エッフェル塔とはセーヌ川を挟んで目と鼻の先。

大きな地図で見る
ドレセール通りからの眺め。残念ながらストリートビューでは手前にある階段を下りることができません…


Cafe latteのブログ
第七景、サン・ペール橋より

サン・ペール橋は現在カルーゼル橋の名で知られており、ここから見たロワイヤル橋を描いています。カルーセル橋の隣にはかのルーヴル美術館がございます。


大きな地図で見る
オルセー美術館の奥にちょっぴりエッフェル塔が顔をのぞかせているのがお分かりいただけますでしょうか。


Cafe latteのブログ
第九景、ノートルダム大聖堂より

ノートルダムの鐘楼に上ったことがないので何とも言えませんが、浮世絵に描かれている布をかけられたガーゴイルは北側の鐘楼のもので、実際には奥に見えるのはエッフェル塔ではなくサクレクール寺院が見える(ハズ)です。浮世絵では画面をダイナミックに見せるためにあえて実際ではありえない構図を作り出すことも多々あるためこれはこれでおkなのでしょう。


動画0:54あたりにうつってます。通常はエッフェル塔側を向いている頬杖をついているガーゴイルちゃんが有名なのですが、あえて構図を変えてまで布を被ったガーゴイルを選んだということはリヴィエールはこのガーゴイルが気に入っていたのでしょうか?そんな想像をしながら画面を見てみるのも面白い。

Cafe latteのブログ
構図のとおりサン・ミッシェル橋とエッフェル塔が見えるようにするためには下の画面から描かなければなりません。確かに見栄えはよくない…画家の苦心がうかがえるというものです。

$Cafe latteのブログ
第十景クリシー大通りより

パリ18区にあるクリシー通りのスタートポイント。ここからの情景を描いたものを思われます。
パリは地区によって治安がガラリと悪くなりますが、ここら辺はもうパッと見ヤバいオーラがぷんぷんしております。パリに限らずどこでもそうだとは思いますが、家賃の安いところは治安も悪いってことで^^;

大きな地図で見る
実際に少しグーグルストリートビュー上で歩いてみてほしいのですが…
セクシーショップやセックスショップの多いこと!リヴィエールが描いた手前の建物も一部セクシーショップになっております…orz

それもそのはず、クリシー通りをちょっと歩くとかの有名なムーランルージュがあるんですね~。ムーランルージュを過ぎるとセクシーショップもぱったり無くなります。

18区といえばモンマルトル!サクレクール寺院もあり、昔も今も多くのアーティストが住まう場所となっております。一度印象派の画家たちの住居めぐりなんてのもやってみたいものです。

$Cafe latteのブログ
やはりエッフェル塔は美しい。このような高層建築物は高さばかりがポイントとして取り上げられておりますが、やはり高さよりも見た目の美しさ、優美さこそ優先されるべきでしょう。
そういう意味ではスカイツリーよりも東京タワー!ソラカラちゃんよりもノッポン先輩といえましょう。

よくわからんが次回に続きます…