うちの犬は親子飼いなのですが、
双方とも、それぞれ別の時期に前庭疾患になりました。
母犬のときは、眼振と、回転運動の症状(家の周りを同じ方向にぐるぐるまわる)
と、吐き気、食欲不振のほかはそれほど重篤な症状もなく、
ひどい時もそれなりに歩けましたし、10日ほどで斜頸以外の症状は取れたような記憶がありました。
しかし、子供のほうの犬(13歳)の前庭疾患で
「やらなければよかった」看病があったので、書き残しておきます。
ちなみに今は、斜頸が少し残っているもののほぼ全快しています。
前庭疾患の兆候を始めて見たのは、
膝丈くらいの椅子から降りたときに、足元をふらつかせたことでした。
それから数時間後、吐いてしまい、
寝床に戻って食事に呼んでも来ないという風だったので
心配して見に行ったら、眼振していました。
それで、おそらく前庭疾患だろうと思いました。
本来ならば、ほかの病気を排除するために、
一度獣医さんに診てもらうべきなのですが、
母犬が車酔いをきっかけに前庭疾患になってしまったこともあって、
車に乗せずに家で様子を見たほうがいいだろうと考え、
家で寝かせていました。
全く食べられないまま、たまにトイレに庭に出る状態で
丸3日が過ぎたのですが、
どうしても気になるのが、寝ついて以降、まったく便が出ていないこと。
外に出すたびに便を出そうと力むのですが、
全く出てきません。
どうにもそれがかわいそうになり、
いろいろマッサージをしてみたり、
こどもでも飲める下剤を飲ませた(第1の失敗)ものの出てこなくて
いろいろ考えた結果、
お湯で浣腸をしてみたらどうだろうと思ったのです。
それで、近所の薬局で浣腸に使えそうな用具を見たのですが売っておらず、
とりあえず赤ちゃん用の浣腸を買って帰り、
様子を見ていました。
しかしやっぱり便が出ないので、赤ちゃん用の浣腸を使ってみることにしました(第2の失敗)。
主成分はグリセリンなのですが、半分ほど注入しました。
その結果、便意は催すものの、一向に便が出ず、
犬が苦しそうにし始めてしまいました。
病院は終わっていたのですが、近所のお医者さんに電話して、
出てもらって相談したところ
「便がで切れば、便意はおさまるはず」
ということで、とりあえず様子を見て、おさまらければ夜間病院に行ってくれ、とのことでした。
しかし夜間病院が始まるのは9時。
血便が出るばかりで、苦しそうなのは収まらず、
どうしていいかわかりませんでした。
この近所の獣医さんに相談した時は、わたしは会陰ヘルニアであることは関係がないと思っていましたし、
この子が会陰ヘルニアであることは遠くの腫瘍専門の獣医さんしか
知らなかったことで,近所のお医者さんの診断は無理もないことでした。
後、このとき知ったのですが便は食べかすなので、数日間出なくても構わないそうです。
(尿は別で、でないとだめだそうです。)
その後、寝ていても断続的に力むので、
夜間病院に電話し、症状と会陰ヘルニアであることを伝えてみました。
診断は、夜間病院に来れば、便を指でかき出す処置をすることになる、ということでした。
今まで奥から古い便が出てきて、スライド式に排便していたのですが
ものを食べていない今は、人の手でかき出してあげるしかないということで。
会陰ヘルニアなので苦しいと思います、とおっしゃっていました。
しかし苦しそうにしているのに、車に乗せる(40分近くかかる)と余計症状がひどくなりそうで、かわいそう。
ということで、意を決して便を素人の私が書き出すことにしました(真似しないほうがいいと思います。)
手袋をして、有機ホホバオイルを指先に塗り、
おしりに手を入れてみると、押しずしのような感触が。
どの辺が便で、どの辺が直腸なのか全然分かりませんでしたが、
とりあえず指をそっとまげて、指についてきた便を取り出し、
広告になすりつけて、またオイルを垂らした指をおしりに入れる、ということを何回かしました。
そうしていると、奥から便が出てくる感覚があったので、
出てきたのを指ですくって出す、というのを10回ほどでしょうか、しました。
一度犬が暴れて中断しつつ、また10回ほど同じことをくりかえしたところで
奥から便がでてこなくなり、そこでやめました。
やめると、犬が外に行ってまた力むので、
もう一度ゆびをいれたところ、下痢便が少したまっていました。
とりあえずそれをある程度掻き出して、もう犬を庭には出さず、
寝かしつけました。
もう力むことはやめていました。
翌朝、庭に出るとまた力むので、もう一度おしりに指を入れてみると、
やはり下痢便がすこしあるだけだったので、
また寝かしつけました。
そこから5日ほど、ものも食べず、ただひたすら耐えるように寝続けました。
庭にトイレに行くと、また力んで血がぽたぽたでてくるので、
1分以上力んで出ないときは、抱え上げて部屋に戻しました。
発症から8日目くらいから、食べてないせいでしんどいのかなぁ?
と思うようになり、
ぶどう糖(溶けやすいよう粉にして押し固める加工された青いパッケージのもの)
を一日3粒の量(13kgの犬で)を砕いて、
ちょくちょく口の中に入れました。
ちょっと水を含ませて、どろっとしたものを口の中に入れて
唾液と一緒に飲むような感じにしました。
それから2日後、発症から10日後、やっと顔をあげて「ふせ」の姿勢でいてくれるようになり、
霧島鳥というレトルトのパックの鳥の肉を取り除いたものを食べるようになりました。
そこから、少しずつ、肉をつぶした霧島鳥やハムなどを食べるようになり、
発症から2週間で、なんとかハーネスで体を上に引っ張ってバランスを取りながら
散歩に出られるようになりました。
長く書いてきてしまいましたが
会陰ヘルニアの場合
ご飯が食べられないときは、決して独断で処置をしないほうがいいと思いました。
お医者さんと様子と相談して様子を見たほうがいいんだと思います。
便がでなくても大丈夫な場合もあるだろうし、
掻き出す必要があるときもあるのかもしれません。
ただ、素人判断は危険だということを思い知らされました。