冬の寒さが例年にも増して残る3月中旬、皆さん如何お過ごしでしょうか?
2025年3月19日、遂に!遂に!
サザンオールスターズのニューアルバム
「THANK YOU SO MUCH」

2.ジャンヌダルクによろしく
3.桜、ひらり
4.暮れゆく街のふたり
5.ごめんね母さん
6.盆ギリ恋歌
7.風のタイムマシンに乗って
8.史上最恐のモンスター
9.夢の宇宙旅行
10.歌えニッポンの空
11.悲しみはブギの彼方に
12.ミツコとカンジ
13.神様からの贈り物
14.Relay〜杜の詩
1.恋のブギウギナイト
昨年(2024年)のデビュー46周年記念日に、ドラマ「新宿野戦病院」の主題歌として配信限定シングルとしてリリースされていたEDMサウンドを取り入れたディスコチックなナンバーです。結構サザンの曲にありそうで無かった新しいサウンドの楽曲なのではないでしょうか?サウンド面こそ新しいものの、サザンらしく歌詞はそこそこエロかったり、「また振られ『ブサイク』決定 Woo」
なんてふざけたサビがあったりするんですけど、反対に「Ahh 嫌われたってイイじゃない 色々人生あるじゃない」というような、背中を押される歌詞もあったりと、桑田さんの照れ隠しが見え隠れする、 エロと真面目の融合が見える、王道な曲とも捉えることが出来そうな一曲でもあります。
実は配信リリースされた当時は、この歌あんまり好きじゃなかったんですよね…💦別に高いキーの歌が好きってわけではないんですけど、サザンの盛り上がり系で使われる歌の中ではキーが全体的に低くて、キャッチーなメロディってわけでもなくて、はじめはあまりこの歌に魅力を見出すことができず…あまり聞いていなかったのですが、(少し後にリリースされたジャンヌダルクがよすぎたのもあります笑)年が明けてから改めて聞いてみたら、桑田さんの意向と言うか、僕の憶測なんですけど、80'sのディスコらしく、敢えて抑えて歌ってるのかと思い、「あれ結構これはこれでありじゃね?」で思うようになって、そしてこないだ公開されたロッキンのライブ映像を見て、予想を遥かに超えるライブ化け度にオチましたね笑
オススメ度:★★★☆☆
2.ジャンヌダルクによろしく
久々にサザンからド直球骨太ロックナンバーがリリースされましたね。この歌も昨年配信シングルとしてリリースされていました。これは確か、TBSのパリ五輪のテーマソングでしたよね?他のアーティストの手掛けた歌より、フランスを歴史的な観点から見たタイトルや、サザン自身が自らを鼓舞するような歌詞、そして「2度や3度のミスなど怖くない」といった、選手はもちろん、一生懸命生きる人々みんなに刺さるようなセリフなど、真っ直ぐだけど意外と歌われてこなかった応援ソングになっていたのが印象的でした。
この歌は桑田さんのルーツとなるロックやブルースの要素がふんだんに取り入れられていて、現代版「フリフリ'65」のような、渋みあるアッパーとなっていますね。エアロスミスの「Oh,Yeah!」や、エリック・クラプトンを思い出すサウンドでした。
なんといってもこの歌、mvが秀逸なんですよね。髭面の桑田さんと、サザンのメンバーが楽しみながらロックしてる感じがたまりません。そこにエロスも取り入れて来るのだからもう、感服と言うか、こんな事できるのサザンくらいですよ。初期〜中期を思い出すロックナンバーに、驚きつつもお気に入りとなりました。
オススメ度:★★★★★
3.桜、ひらり
ハイ!キタ~神曲通り越して国歌にすべき曲〜!!
正直この一曲で、アルバム代3960円、元取れんじゃね?って思うほど、いい歌だと思うし、このアルバムのハイライトの一つだと思います。
でも何故か、正月に先行配信されたときの評価はそこまでで、(前評判高かったのはダントツジャンヌダルクでしたね。)そりゃバンド感は強うないかもしれないけど、桑田さんの気持ちを汲み取れば、涙物の一曲なんですけどね…
フルート🪈のような音色と、優しいクラシックギター🎸の音色で始まる、柔らかくて優しいイントロから始まるこの曲。「どれくらい 眠れぬ夜を越え やまない雨に打たれ 大人になったろう?」
桑田さんのハスキーがかった、優しくもどこか切ない唯一無二の声が、この歌に桜のような甘くて淡い色を添えます。原さんの?キーボードやシンセの音色も素敵です。特にサビの音のキラキラしている感じがたまりません!
特に刺さった歌詞は2番のサビ
「君よ次代に向けて 愛を謳ってほしい 今も君は生きてる
人を敬いながら いつも守ってほしい そして時は巡りくる」
なんだか、僕らに向けてサザンが歌っていると言うより、僕らリスナーにこの歌を託してるという感じがします、この歌からは。
どんなに辛いこととか、嫌なこととか、悲しい事が起きても「今も 君は生きてる」
の一言で、根拠はないけど、大丈夫な気がしてしまうんですよね。桑田さんが歌うからこそ。
昨年の1/1に起きた能登半島地震から丁度1年後にリリースされ、mvではこの歌が流れた車が石川のツアー開始場所に向かうというものでした。デビュー47年目の超大御所バンドが、10年ぶりのニューアルバムの表題曲のmvでメンバー登場無しなんて、そこまでして彼らは、「良いことばかりじゃないけど、希望を持って」というメッセージを伝えたかったのだなと、彼らの優しさに感動しました。
そして「柳暗花明」というサビ締めの一言。きっと、この歌がなければ出会え無かったです。こんな素敵な意味を持った言葉と出会わせてくれて、桑田さん、ありがとうございます。僕は、ただ学生なだけで、何の力もないけど、この歌に込められた思いを、いつも胸に持って生きていこうと思います!
オススメ度:★★★★★
4.暮れゆく街のふたり
このアルバムの味噌となる一曲ですね。演歌とも歌謡曲とも違うし、ただのバラードでもない。暗〜いマイナーなスローナンバーです。
この歌、10月公開の映画「盤上の向日葵」の主題歌なんですね。今回のアルバムの中でもトップクラスで内省的で暗い曲ですが、映画の内容的には合ってるのかもしれません。
歌詞は流石桑田さん、まるで短編小説でも読んでいるかのような展開性とミステリアスさを持った、訳あり男女の恋愛模様?が歌われていました。「夏の懈怠」だなんて難しくて綺麗な日本語が使われたり。サウンドはベースと打ち込みドラムが強いですね。メンバーはあまり感じられません💦そして意外とこの歌で活躍しているのはエレキギター。イントロからずっと、手数は多くないもののなり続けるアルペジオは、ミステリアスな雰囲気を一層高めてきます。
ライブで歌われたら、どんなふうに演奏されるのかがとても気になる一曲です。
オススメ度:★★☆☆☆
5.盆ギリ恋歌
サザン45周年の狼煙を上げる強烈アジア歌謡曲的な、サザンらしいキラーチューンでしたね。今回のアルバムの中でも定番化しそうな一曲です。
歌詞の内容はお彼岸。つまり盆です。遊び心満載なメロディなのに、歌詞は意外としっかりとしているギャップがサザンらしいです。桑田さんはこの歌が発売された当初、何かのインタビューで、「自分もいつあの世に逝くかわからないし、だからこそ最近はなくなった人に想いを寄せる事が増えた」「だからこそ、盆くらいは、あの世この世の壁を取っ払って、みんなではしゃぎたいじゃん?こんな曲だったら、その役目を果たせるかなと思ったんだよね」みたいなことを言ってて、彼の人柄だからこその、おふざけと真面目の共存がうまく調和してるんだなとおもいました。
「盆ギリ 盆ギリ」
「Don't Worry Don't Worry」
といった、韻も秀逸に踏まれています!(笑)
オススメ度:★★★☆☆
6.ごめんね母さん
この歌は、何処か90年代後半のオルタナサザンを思い出させるテクノサウンド的な、言うなればMessengerのロック感を取っ払った感じの、異色作でした。でも、このアルバムの中では、一番現代的なサウンドなのかもしれません。打ち込みなサウンドや、電子っぽいメロディ、桑田さん多分、ジャスティン・ビーバーとか、ビリーアイリッシュとか、熱心に追ってますよね?(笑) ロッキンで共演したクリーピーナッツの影響も受けたりしたのでしょうか?
不協和音的な、気味悪いテクノサウンドのイントロから、桑田さんの、他の歌とは一風変わった、粘っこい?そして、囁くような声での歌唱で歌われる内容は、何か悪いことをしてしまった息子が、母親へ懺悔するみたいな、なんとも今の情勢にあった風刺曲。やっぱりサザンのアルバムって、社会風刺的な歌があると締まりますよね。「ニッポンのヒール」「Missing persons」「汚れた台所」等々。
はじめの「ダメ、ストップ!! ヤバいよ僕!! やっぱ秘密がバレたよ」から、もう不穏。何したん?(笑)
サビで半音上げたり下げたりして歌われる「アイアムソーリー母さん あなたの愛が恋しくて」が、今問題の闇バイトとか、若者を利用した密売とかそんなものを連想させて、なんだかもどかしい気持ちになります。きっとみんな生みの親に何らかの後ろめたさを持ってしまいますよね。、、、
そんな暗めの歌ですが、サザンの社会風刺的な歌の特徴として、ライブ化けが凄いというものがあります!なので今からもう楽しみです!この電子的なサウンドに松田さんのドラムと毛ガニさんのパーカッションをどう入れてくるのか…
オススメ度:★★★★☆
7.風のタイムマシンに乗って
これは個人的に原坊史上最強の一曲です!アルバム全曲の中でも上位に食い込むくらいに良かった!今まで原さんボーカルのサザンの歌って、何処か哀愁漂う昭和っぽい歌が多くて、何処かハマらなかったのですが…💦
こんなに普遍的で綺麗で爽やかな歌を、68歳の原さんが今、歌っていることにびっくりします!内容は桑田さんお得意の神奈川の風景ソング!!原さんが自転車で江の島の海沿いを走りながら鼻歌を歌っているようなイメージを持ってしまいます!しかも高校生の(笑)それくらい若くて、爽やかで、美しい歌なんです!新進気鋭の女性シンガーソングライターのデビュー曲といって今年出ても、何の遜色もありません!
サビの桑田さんとのハーモニーは、半世紀近く公私ともに支え合ってきた良きパートナーだからこそ醸し出せる余裕と初々しさを感じました!まっっじで、江ノ島にドライブに行く機会があれば絶対この歌を流しながらドライブします!(笑)
オススメ度:★★★★★
8.史上最恐のモンスター
今作で一番の曲者を上げるとすればまあ、ごめんね母さんか、これですねぇ…
アフリカ系?の民族がジャングルの中で奏でてそうな、パーカッションが生きるサウンドと、シンセとキーボードくらい?の最小限な音に、桑田さんが不思議なメロディラインを乗せていて、なんだかとても不思議な歌です。とにかく。
「やれやれ People」
「ほらほら Nature」
「灼けそうな アイランド」
「凍りついた ジャングル」
などと、内容は環境問題への強烈なパンチ。
「また嘆きのニュースがゴールデンタイム」
→これ、天才すぎませんか?桑田さんあなたは才能が枯れないんですか?(知ってるw)
簡単に見えて誰も思いつかないと思いますよこんな言い回し。まあだからこそ桑田さんの歌詞は人の心を揺さぶり続けているのでしょうが。
これってライブでは煽り曲になるんですかね?
だとしたらどうなるのでしょう…💦
弘さんが、なかなか最後の方忙しそうですw
オススメ度:★★★☆☆
9.夢の宇宙旅行
THE サザンオールスターズな、今回のアルバムで一番聞きやすい一曲なのではないでしょうか?アルバムのリードトラックとしての立ち位置でもあると思います。サウンドは結構ピアノ、キーボードが強めですが、ベースラインとかドラムもかっこいいビートを刻んでて、ロックしてる一曲です。なんだか、エルトン・ジョンの「I'm Still Standing」を思い出すキャッチーなメロディと、強くてロックなんだけどポップなサウンドは、全世代にピタッとハマるのではないでしょうか!?
アルバムリリース前からこの歌はユニクロのCMソングにも使われてて、そこでは「グラムロック調の」と紹介されていた気がするのですが…そうなのですかね?💦実はデヴィッド・ボウイは深追いしていなくてよく分からないのですが…まあイエモンっぽいサウンドと言われれば納得はできなくないですが笑
とにかくメロディアスで思わず口ずさみたくなるような歌です。普通だったらシングルレベルな一曲なのに、これがアルバム曲であることにビビります。(Mr.Childrenでもこれは感じることがあるのですが)歌詞は宇宙へ旅することを通して人生を応援する、明るい歌です!
この歌の歌詞は全編通して、人生を宇宙旅行に例えながら背中を押してくれる応援歌なのですが、サビ終わりが特によくて、1番では
「なれない操縦でもIt's All right
ブレないスピードで無問題」
比喩的に背中を押してくれる、大事にしていきたい一言です!
2番では
「やる気も燃料も超満タン
報われぬ日々の総決算!!」
ここもいいですね!!決してポジティブな側面ばかりを写さずに、だめな部分も乗っけていくんだ!!的な感じが、彼らがずっと歌ってきたこと、どんな人も置いて行かず彼らが宇宙旅行に出かけているようで、サザンの47年間の総決算的な一節に感じました。
なのに曲のラストでは
「果なき宇宙への旅は
ママの呼ぶ声と消えた
目の前に大谷翔平のサイン」
と、全部夢だったの〜!?と思わせるコミカルな、サザンならではの'落とし'もあります。「大谷翔平」をここに詰め込んできたのは流石です。
とにかくこれはオススメです!サザン初心者から古くからのファンにまで、誰にでも愛される名曲となったのではないでしょうか?
オススメ度:★★★★★
10.歌えニッポンの空
アフリカ、グラムロックときて次はラテン系の爽やかなポップです。
この曲自体は2023年に新曲三部作の第二弾としてリリースされていましたが、アルバムで聞くとまた印象が変わる一曲です。
桑田さんが日本という国を愛しているからこそ、そしてつながりを大事にしているからこそ生まれた「ありがっと!!」とニッポンの空に向けて高らかに歌うこの歌は、今回のアルバムタイトル「THANK YOU SO MUCH」とのつながりを感じます。
正直この歌は、一昨年のリリース時は少し弱くないか?と思っており、三部作の中でも一番聞いてきた回数は少なかったのですが、このアルバムでリードトラックの夢の宇宙旅行と、ラストスパートの入口悲しみはブギの彼方にの間に入ったこの歌は、2つの世界観の間にあるような、箸休め的に聞ける爽やかポップで、とても好印象でした。
決して派手なメロディや歌唱がある歌ではないですが、ベテランバンドのサザンならではの余裕を感じるサウンドと、今の彼らのマインドであるだろう「ありがっと!!」が存分に感じられる一曲です。
オススメ度:★★☆☆☆
11.悲しみはブギの彼方に
サザンの約半世紀前の未発表曲を再レコーディングした、ファン必聴のブギです!
昔に作られた歌だから、新しい曲達と比べると浮くんじゃないか?と、少し心配していたのですが笑、全くそんなことはなくて、70年代に既にサザンという型は完成しきってたんだなと感じる、とてもかっこいいブルースです。彼らのデビュー・アルバム「熱い胸さわぎ」に入ってたら、間違いなく人気曲になっていた気がするんですけど…w
歌詞は何処か青臭いラブソング?で、今のサザンではあまりないリフレインが多いのが、また若さを表していていいですね👍️
「髪の手入れは リンスにシャンプー」ここが印象に残りますねえ。昭和らしさ溢れる表現ですが、この歌が2025年のアルバムに入っていても違和感はない…これを化学反応というのでしょうね![]()
また、桑田さんのボーカルが、他の曲と比べて、初期を意識しているのかしゃがれ気味なのがめちゃくちゃカッコイイです。もちろん、若い時と声は微妙に変わってはいますが、根幹は50年近く、何も変わってないんだなこの人、って思う、真っ直ぐな歌声です。今の歌声が、一番好きかもしれない…
メロディも、初期のサザンの王道っていう感じで、彼らの半世紀近い活動期間を振り返ることができるような、ノスタルジックなサウンドです。古くからのファンに特に刺さる一曲となっているのではないでしょうか?
オススメ度:★★★★☆
12.ミツコとカンジ
THE サザンオールスターズVol.2
といえばいいのでしょうか?笑
全曲「悲しみはブギの彼方に」と、メドレーのような形式になっているこの一曲。これもまた初期、アルバムでいうと「タイニイ・バブルス」や「NUDE MAN」を思い出す、歌謡曲らしくもあり、洋楽らしくもある、サザン特有のサウンドに仕上がっています。イントロの音はどこかモータウンやブラックミュージックを思い出しもします。そこに加わるブルースハープは、スティービー・ワンダーのSir Dukeを彷彿とさせます。
歌詞の内容はというと、愛想をつかされた"カンジ"が、"ミツコ"に出ていかれた事を通して、人生を振り返る、今までのサザンの歌で言うと、「栄光の男」を思い出すような、哀愁漂う大人の応援歌であり、ラブソングとなっています。
この'ミツコ'は、あの有名な倍賞美津子さん、そして'カンジ'は、桑田さんもリスペクトするニッポンの元気印の元プロレスラー故アントニオ猪木さんのことなんですね。
桑田さんは一昨年の茅ヶ崎ライブの締めでも、「1.2.3.ダー!」と叫んでおられたり、猪木さんを日頃からリスペクトしているようで、この楽曲からも、随所に「夢を追いかけて ヤバい勝負もした」「戦いの大海原で あの子の顔がチラついたら チョップ食らったよ」
「またチャンピオンベルト巻いた俺を」などと、レスラーとしての猪木をオマージュした歌詞が見て取れます。
実際に倍賞美津子さんとアントニオ猪木さんがどんな結婚生活を送り、離婚へと至ったのかは僕は知りません。多分ここで描かれる二人の関係性は、フィクションなのでしょうけど、桑田さんのことですから、どこかドキュメンタリー的な側面もあるのでしょうね。
「ふと立ち止まってみれば
何を求めて 命がけで 生きて来たんだろう?」
こんなに切ない歌詞が69歳にして書けるなんて… ピュアな失恋何だけど、この歌詞は同時に、人生を長年生きてこないとかけない、まさに青さと落ち着きが共存する、半世紀近いサザンが、ここに来てようやく完成形として出すことが出来た、哀愁漂う一曲ですね。日曜劇場の主題歌になってそう(笑)
メロディも初期を彷彿とさせるキャッチーな歌謡ブルースみたいな感じで、肝はベースライン。シンプルなように聞こえて結構、フレーズが節毎に異なっていたりもして、この歌のキャッチーさにより拍車をかけています。
オススメ度:★★★★★
13.神様からの贈り物
先人たちの音楽に最大級のリスペクトを込めた、新たなサザンのアンセムですね。これはNHKのラジオ開局100周年(テレビだったらすみません💦)を記念したテーマソングとして書き下ろされた一曲らしいのですが、ソウルやモータウン的な明るい、ダンスしたくなるようなサウンドや、みんなで歌いたくなるサビのコーラス、そして素晴らしい歌詞が、ただのタイアップ曲としては片付けられない、とてつもないパワーを持っています。
イントロの、エレキギターのオクターブ奏法(例:低いドと、高いド、を同時に鳴らし、音に幅を効かせるギターやピアノの奏法)で奏でられる印象的なリフから、一気にこの歌の世界観に引き込まれてしまいます。後ろで鳴ってる、これまたスティービー・ワンダーやジャクソン5を思い出させるシンセの音も、控えめながら存在感を放っていて素敵です。メロディは終始明るくて、思わずダンスしてしまいたくなるようなキャッチーなそれは、ライブ化け間違いなしです!
歌詞の内容は、タイアップにちなんで"先人たちが繋いできた日本のポップミュージック"対する敬意と感謝(サンキュー)が歌われているものです。
「ニッポンの夜明けは暗い
でも先人は凄い」
ただ先人を褒め称えるのみでなく、一旦、しかも歌の出だしで落としてから、'でも'と逆説で称えるのがいいですね。戦後、ニッポンは確かに、どん底にいました。でもどんなときにも、変わらずに人を支えてきたのは、力強い政治家の言葉でも、大きな大きな戦闘機でもなく、もっと身近な、演劇とか、映画とか、そして「歌」。そんな娯楽だと思うんです。だからこそ今でも映画や歌舞伎という文化が残り続けているし、歌だって、年々ジャンルの幅が今でも広がり続けています。
「この人たちの歌、ダセェ」
「嫌いやわ、これ」
とか、今ではこうやって匿名で書き込み放題なわけですよ。でも誰かにとってその歌は、人生を救ってくれた大事な一曲かもしれないわけで…それなら「それはそれでいいね」と、みんなが寛容に、思える、そんな世にってほしいものですね。
「また逢う日まで」「胸の振り子が鳴る」など、実際の先人らが繋いできた曲名を歌詞に入れているのも素敵です。
そして何と言っても力強いのは、ラストの
「あの歌と出会い あなたがいれば 何にも怖くない」
このアルバムで伝えたいことって、結局ここなのでは?と、一周して思いました。これは、彼らが先人達に向けて歌ったものとも捉えられるし、サザンが僕らリスナーに向けて、"繋いでいってくれよな"と、託しているつもりで歌ったものとも捉えられるなと思いました。こんなふうに、僕らに託す様な歌が、今回は多いような気がします。
どんなことも音楽があれば乗り越えて行ける気がすると、桑田さんはいつか仰っていました。その意味が、この歌を聞いてわかった気がします。本当に、こんなにも素晴らしい曲を作ってくれてありがとうございます。
僕はこれがニューアルバムで一番のお気に入りかもしれません。(でも、全部よくて決めれない…💦)
オススメ度:★★★★★
14.Relay〜杜の詩
サザンのアルバムを締めるのは必ずバラッド曲。今回その大役を任されたのは、一昨年リリースの、外苑再開発への思いを歌った、社会派バラード。
サウンドは「ジョンの塊」をイメージしたそうで、シンプルながらも芯のある、ストレートな演奏が、歌詞も相まって心にぐっと来ます。
内容は、外苑再開発でイチョウ並木が伐採されてしまうことへの、桑田さんの想いが載せられています。と言っても、彼はそれを頭ごなしに反対しているわけではなく「コミュニーケーション しようと」と、あくまで、みんなで話し合ってこうよ!
という、柔軟な思考を持たれています。彼は故、坂本龍一さんが生前、外苑再開発に対して疑問を持たれていたことを知り、この曲を作ったそうです。勿論、今までの生活を守ることと、都市を発展させることを、どっちの犠牲も全く無く行うことは、かなり難しいかもしれません。でも、双方が納得行くよう、話し合いを重ねることは、時間さえあれば可能なわけで、政府はそれを怠って、とにかくやりたいから、やると言うだけではだめだと思うんです。
そんな柔軟な考えを、バラードに乗せる辺り、優しくもあり、桑田さんの本気の訴えも感じます。Cメロの
「いつもいつも思ってた
知らないうちに決まってる」
は、なにか考えずには聞けない、一見軽いのですが、とても重い一節です。これが何度、失敗をもたらしてきたか…それは個人感のパーソナルな問題でも、国単位での大きなトラブルでも、同じなんですよね。なのに変われないのがまた、人でもあり…
だからこそ刺さるものがあります。若い人こそ、この歌をただのいいバラードとして聞くのではなく、桑田さんや坂本さんが託したメッセージの真意を読み取りながら、聞くべきだと思います。
メロディラインはめちゃくちゃ綺麗で、サビの「Oh〜」のコーラスは聖歌隊を思わす美しさです。ライブでは、どんなふうに、サザンが想いを乗せながらこの歌を演奏するのか、見てみたいものです。
オススメ度:★★★★★
結論!このアルバムは『サザンオールスターズ47年間の総決算でもあり、これからへの第一歩でもある』彼らのキャリアと地位ならではの余裕や落ち着きと、まだまだ挑戦していくんだという若さや青さといったハングリー精神が共存する令和の名作だと思います。
ディスコなエロに社会風刺に応援歌にラブソングに…ジャンルは多彩ですが、どの歌にも共通するのは、やはりタイトルの
『THANK YOU SO MUCH』ですね。
それはリスナーに向けて、母に向けて、先人達の音楽に向けて、愛する人に向けて、あの世に向けて、と様々ですが、こんなにもコンセプトがまとまったサザンのアルバムはなにげに『さくら』以来久しぶりではないかと思います。
発売決定当初、タイトルが重すぎて「サザンのラストアルバムがこれか…、?」と思っていましたが、このタイトルは桑田さんが今伝えたかった「どうもありがと!」が、そのまま翻訳されただけだと知り、気持ちは少しマシになっています(笑)とはいっても、サザンのアルバムは今はほぼ10年周期、10年後サザンのメンバーは80前後になっています。「ある」とは軽くは言えないですよね…でも、誰もがもうニューアルバムは出ないと思っていたストーンズが2023年に、彼らのキャリアの中でもトップレベルの名盤を出したりしたこともありましたので、期待もしながら、そして先ずはこの2025年に生まれたたくさんの名曲を愛でたいと思います。
サザンオールスターズの皆さん、僕らリスナーの方こそ、THANK YOU SO MUCHです!!ツアー楽しみにしています!お身体にご気を付けて、無事の完走を願っています。
最後まで読んでいただきありがとうございました!THANKYOUSOMUCH!