本紹介:ブルーピリオド
yuriの本レビュー・紹介ブログ本日紹介するのは「ブルーピリオド」の1巻!山口つばささんの作品ですちなみにこの作品「マンガ大賞2020」大賞受賞作品です!2017年8月号より、講談社の「月刊アフタヌーン」にて連載がスタートしました。現在も連載中です!ノベルも発売されているようですが私は漫画で読みました2021年10月にはTVアニメ放送もスタートされましたそんな大人気の「ブルーピリオド」どんなお話なのでしょうか?では、紹介していきます。あらすじ主人公の矢口八虎はヤンキーで世渡り上手な高校2年生。それでいて成績は優秀。友達も多く、何不自由ない生活を送っているように見えるが成績も人付き合いもノルマをこなすような作業だと虚しくなる日々を過ごす。ある日美術の時間に「私の好きな風景」を課題に出された八虎はいつものように効率的に作業を進めようと考える。しかし偶然美術部員3年生が描いた1枚の作品と出会い魅せられた八虎は先輩と言葉を交わし、真剣に「私の好きな風景」に向き合うことに。課題に対して青い「早朝の渋谷」を描いた八虎。自身の絵が友人に伝わった時、初めて人と会話ができたと、大きな感動を覚えた。そこから美術部に入部し、超難関・東京藝術大学を目指す物語が始まるー...感想学生時代は、なんとなく勉強するか部活に打ち込むかバイトするか...など、ある程度することが決まっていることが多いのではないのかなと思う。そのように作業的な日常に違和感を覚え、虚しさを感じることは私自身見に覚えがある。今、何も変わらぬ日常に退屈している方や、違和感を感じている方にはぴったりの1冊になるのではと思う。また、美術と聞くと才能が全てと思いがちだが、しっかり勉強することがあり、戦略的に描いていく八虎の姿を見て、自身の思いこみを払拭することができた。ブルーピリオド、私の中で大好きな作品になりました出会えてよかった本作中に出てきた心に残る言葉「なら一体 この感動は誰のものだ? なんでこんなに大声だしてんの? 他人の努力の結果で酒飲むなよ お前のことじゃないだろ 俺も これは俺の感動じゃない」他人の成功に大喜びして満足して知らぬ間に期待を押し付けていたのはいつからだろう?本当は自分自身が良くなりたくて成功したくて満足したいと思っていたのにそれがなくなってしまったのはいつからなのか。「まだ、頑張ってみてもいいかな、自分が満足するまで挑戦していいかなあ?」そんな臆病な自分の背中をそっと押してくれたような言葉でした。自分で自分に感動したい。「あなたが青く見えるならりんごもうさぎの体も青くていいんだよ」本来人間は自由なはずだし、昔に比べればいろいろな選択の自由がある。なのにこんなに生きづらいのはなぜなのか?生きていたくないのも生きづらいのもイラつくのもモヤモヤするのも勝手に周りの環境と時代のせいにしていたんだ。自分が見たいように世界を見て責める人なんていない。自分が感じたことが間違いであることなんてなくて、それも素敵な感性で個性であると思う。「頑張れない子は好きなことがない子でしたよ好きなことに人生の一番大きなウエイトを置くのって普通のことじゃないでしょうか?」この一言で自身が過去の経験に囚われて失敗ばかり繰り返していたのは好きなものがなかったからなんだと気づいた。ただひたすら、周りの大人たちが良いとするものを空気を読んでやってきて、いいこを演じて、でも心は空っぽになってしまった。誰かがいいと思ったことを鵜呑みにしてはいけないなと思う。だって結局自分の人生の責任は自分が取らないといけないから。自分が失敗したところで、責任とってくれる人なんていないもの。自分が本当に好きなものに出会って、素直に心を動かそうと思った。「美術は面白いですよ自分に素直な人ほど強い文字じゃない言語だから」気持ちや思いを相手に伝えたいとき、どうしても言葉が出てこないことがある。言葉で伝えきれない思いがあるから、芸術作品は存在するのではないかな。