※半年ぶりに20投稿超えましたm(_ _)mほめて←おい

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『お疲れ様』
 
 
重厚なドアを開けると。飾り気のない祭壇の前で。光を纏う小さな背中が、ふらふらと傾いでいる。陽の光があたっているからではない。その力によって
。自ら発光しているんだ。ウニョク...
 

『今日もよくがんばったね』


ありがとう。その形のいいまあるい頭をなでると。ほっと息を吐く。力が抜けたのか。倒れかかった身体を、やわらかく受けとめる


ウニョクは。聖なる力を持つ者として、国に献上された。元は高級貴族の庶子で。母親と共に別邸に隠されていた。当主不在の本邸に、不埒者の襲撃があったとき。その力が慧眼した。邸まるごと結界を張ったのだ。無意識に。皆を守りたいという一心で


聖なる力を持つものは。王族と縁を結ぶのが、この国のしきたりで。そのとき、婚約者のいなかった俺に。白羽の矢が立った

 
まだ意識が彷徨っているのか。大きな瞳がゆらゆらと揺らぐ。結界を張るには莫大な力が必要になる。毎日、限界まで使い果たして。終わったときには、全てがリセットされてしまう。そう。記憶さえ。ウニョクは、毎日。生まれ変わるんだ


『だ...れ...』


掠れた声が溢れる
 

『僕はこの国の王子だよ』
 

お...じ...そして。君の婚約者。こんにゃく...?こてんと首を傾げて。口元に手をあてる。ほっそりとした指が。ぷっくりとした唇を、不格好に押し潰す。君とずっと一緒にいるひとだよ。ずっと...?そう。ずっと...
 

『行こうか』
 

ごはんを食べよう。ん...差しだした手を、ちょこんと握ってくるから。俺の力を加減して注ぎこむ。白い頬に。ほんのりと赤みがさす


一目惚れだった。王命を拝する謁見の間で。もぞもぞと、居心地悪そうに身じろいでいた彼は。目が合うと、にっこりと微笑んだ。可憐な花が、ふわりと咲くように...


その花はいまも。僕のこころの奥に咲いている


力を維持するために。婚姻したとしても。それは白いものにしかならない。何より。毎日、忘れてしまうんだ


でも。それが何だっていうんだろう。君の側にいられるのなら。君が微笑んでくれるのなら
 

何度でも。初めてを捧げよう
 
 


@superjunior
※画像お借りしましたm(_ _)m