『キュヒョンくん。パパから写真がきてるよ』
リビングで、ヒョクチェと遊んでいるキュヒョンくんに声をかける。シウォンさんは出張で。自宅には家政婦さんもいるけど。うちで預かることにした。お泊まりは、ふたりともだいすきだから
『わぁ!すごい!』
スマホをのぞきこんだヒョクチェが。シウォンさんの後ろにある、きらきらしたクリスマスツリーに目を丸くする。園のクリスマスツリーだって、こんなにでかくない。今年はどこか、連れてってあげようか。キュヒョンくんも一緒に
そうだ。キュヒョンくんの写真も、撮って送ってあげよう。そう思ったけど。はしゃぐヒョクチェと対照的に。キュヒョンくんの顔色がさえない
『キュヒョンくん?』
名前をよぶと。あかいくちびるをとがらせて。俺の顔をじーっと見る。そして。ふいに、そのちいさな手をのばしてきた。え...ぺたりと。頬にはりつく、あたたかい手のひら。そうか...シウォンさんの、いまの取引先は。髭が富の象徴の国らしくて
《まぁ...キュヒョンには、いやがられてますけどね》
仕方ないです。しばらくは...眉毛を盛大に下げて
『えへへ』
ヒョクチェが。俺の膝によじよじとのぼってきて。キュヒョンくんの真似をして、頬にぺちんと手のひらを当てる。キュヒョンくんも。同じように膝の上に乗ってきた。もじもじと。おしりを落ちつける
かわいいふたりにはさまれて。気分はいいけど...
しびれる前に、飽きてくれることを祈った
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