『何やってんだよ』
膝、崩せよ。東李の前に、あぐらをかいて座る
『あの...』
もごもごと。への字の口をうごかしていた東李が。突然、がばっとひれ伏した
『さっきのは!な、なかったことにしてください!』
それほどでかくない身体が。ぷるぷると震えている。そりゃ知られたくねぇよな...でも...
『なかったことには...できねぇな...』
東李が。はっと頭を上げる。その目は、うるうると揺らいでいて。何でだろ...ないはずの耳が見える。ぺったりと。しょげてる感じの。だって。ばっちり見ちゃったもん...
『だからって。誰にも言うつもりはねぇよ』
宰...今までどおりでいいんだろ。東李が、東李でなくなったわけじゃねぇし...動揺はしてる。さすがに。俺だけ。黙ってればいいんだと思ってた。でも...
『違うよ』
ふるふると。首を振る。俺だけが負えばいい話じゃない
『宰の生命が危ないんだ』
はっ!?何それ!さっきまで、おどおどと揺れていた黒目が。きらりと光る
『特殊なコミュニティだからね』
ってことは...仲間がいるってことか...そんな...都市伝説かよ...
『お前...』
俺を。どうする気だ?
両膝に乗せられていた小さめの手が。ぐっと握りこまれるのが見えた
《つづく》
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※画像お借りしましたm(_ _)m
※きのーの更新です