RW side

 

 

ほんとは...

 

『リョウク君に。会いたかったんだ』

 

え...伸ばした箸が。止まってしまう

 

『たぶん、一目ぼれだったんだと思う』

 

一目ぼれ!僕に!ヒョクチェさんの白い肌が。ほんのりと赤くなる

 

『お客さんに、そんな感情抱くの。だめなのはわかってる』

 

同胞だし。久しぶりに。ドンヘ以外のひとと、ウリマル話したし。楽しくて...

 

『パーカーのことは。すっかり忘れてたんだけど』

 

しばらく帰ってないのに。俺の持ち物が、海を渡ってったってのも不思議で。リョウクくんが、捨てずに持っててくれてるのが。うれしくて...

 

『キュヒョンから。仕事を手伝いたいって、連絡もらったとき。仲間が増えるのは、もちろん大歓迎なんだけど』

 

リョウクくんだったらなって、思っちゃって...照れたように。鼻の下を指でこする

 

『いつのまにか。心にリョウクくんがいた』

 

僕は。ただ、ただびっくりして。ヒョクチェさんを見つめていた

 

『それをドンヘに言ったら。何をいまさらって笑われてさ』

 

最初から。ばればれだったみたい。くいっと。ソジュをあおる。顔がほんのり赤いのは。お酒のせい?それとも...


『リョウクくんは?ど?』


ぼ、ぼ、ぼ、ぼ、僕...うん。手酌で。グラスにソジュを注ぐ


『少しは。俺のこと、気にしてくれてる?』


もし。脈がないんなら。大人しくタイに帰るよ。タイに...うん。こころなしかすっきりした顔で。グラスを空にする


僕は...


僕は...

 

 

 

 《つづく》

 

 

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