HK side



夕飯は、買い込んできた食材を焼きまくった


『俺がやるから、ヒョクチェは座ってて』


切ったり洗ったりは、一緒にやったけど。ドンへはコンロの前に陣取った。何だよ。いたれりつくせりだな...まじで雨でも降るんじゃないか...トングで自分の口に運びながら。俺の皿に、次々と盛る


泊まりだから。俺だけビール飲んで。ドンへは、俺のグラスにちょっとだけ口をつけて。やっぱり苦いと眉をひそめた


空気が澄んでるせいか。星もよく見えて。つきあいだしてから。いや。出会ってから。随分、長く。一緒にいるけど。こんなにゆったり過ごすのは、はじめてかもしれない


『ひょく...』


あ...いつのまにか。デッキチェアで眠ってしまったらしぃ。そんなに飲んでもないのに。よく食ったけど


『さすがに風邪ひくから』


部屋に入ろう。ん...見ると、テーブルもコンロも。きれいに片づけられている。あ...


『わりぃ...全部やらせちゃった』


いいんだよ。いつもやってもらってるし。抱きおこされて。ドンヘの甘い香りが、鼻に抜ける。何だろう...いつもより濃い気がする。ドンへ...ん...目の前の。うすいくちびるに吸いついた。水分多めの黒目がちの瞳が。今日の星空のように。きらきらと瞬く


『ふふ...酔ってんの』


酔ってねぇよ...ほら。ん...ベッドまで連れてかれて。よく冷えたレモン水を飲まされて


『おやすみ』


え...ぽんぽんと。あやすように。離れそうになった、その太い腕をつかんだ。ヒョクチェ?


『行くな』


ヒョクチェ...軽く引くと。ぎしっと音をたたて。俺の腕の中に落ちてきた



《つづく》


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※画像お借りしましたm(_ _)m

※きのーのセンイル小話