DH side

 

 

 

『結局、あんまり話せなかったな』

 

さらっと帰ろうと思ったのに。イワシに捕まった

 

『どっかで。飲み直さない?』

 

あ...俺、酒はちょっと...あ、そうなんだ。うたうから、飲まないのかと思ってた。くしゃっと。愛嬌のある笑顔を見せる

 

『じゃぁ、カフェでも行こうぜ』

 

この辺、なんかあるかな...俺の返事も聞かず、スマホで何やら調べはじめる。あ...その顔が。一瞬、くもった

 

『どうした?』

 

いや...飽き飽きしたように

 

『さっき。カトク交換した子たちがさ。二次会行こうって、うるさくてうるさくて』

 

え...見せてくれた画面には。新規で登録したと思われる名前が。ずらっと並ぶ

 

『しつこいから。うまく巻いてきたんだけどな』

 

やれやれと、肩をすくめる。そういえば、俺...誰とも連絡先、交換してない...

 

『何だよ、ドンへ。顔色わるいな』

 

形のいーアーモンドアイが。俺の顔をのぞきこんでくる。そ、そぅ?誰のせーだと思ってんだよ...

 

『つかれたか?大活躍だったもんな』

 

じゃぁ、また今度にするか。改めて、飯でも行こうぜ。これ。俺のカトク。登録しといて。あ、うん...何でだろ...こいつに...振りまわされっぱなしだ...

 

 

《つづく》

 

 

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