DH side


《賞与をもらったんだ》

ヒョクチェが。うれしそうに。目尻にシワを寄せて。賞与?そう。俺なんて、まだ日が浅いのにさ。ちゃんともらえたんだ。すごいね!な。キム部長のおかげだと思うけどな。キム部長...あの、きれいなひとか。一度だけ会ったことあるけど。よくしゃべって。よくわらって。よく飲んで。たのしかったな...

僕もヒョクチェも。会社勤めをしたことがなかったから。賞与なんてもらうのは、はじめてです

《夕飯は買ってくるからさ》

ヒョクチェがゆってくれたので。簡単なスープと、和物を作っておきました。和物は。たまに犬の散歩のお手伝いをする、ハルモニ直伝なんです!すごくおいしいんです!いつも、お裾分けしてもらってたんだけど。ヒョクチェも気に入ってくれたから。作り方をおしえてもらったんです。和物だけじゃなく。いろいろと

『ドンへ』

ん?買ってきたものを、テーブルの上に置いたヒョクチェが。着替えもせずに、僕に座るように促します

『手ぇ出して』

手?何だろ...自分の手を、まじまじと見ていたら。ぐいっとひっぱられて...

『ドンへ』

いつもありがとう。これからも、ずっと一緒にいような。え...僕の指に。きらきら輝く魔法が、かけられたみたいです

『愛してるよ』

手の甲に。ちゅっと。ふっくりしたくちびるが、押しあてられました

『え...え...えーーーーーーーーーー!』

そこには。シンプルな指輪がありました。言葉のかわりに、涙があふれます。おぃ...

『泣いてないで。俺にもつけて』

ん。涙をぐしっとふいて。ヒョクチェからわたされた、おそろいの指輪を。ほそい指に通します。僕にも。ヒョクチェにも。ぴったりでした

『サイズ、よくわかったね』

寝てるうちに。測ったのかな...当たり前だろ

『何年、手ぇつないでると思ってんだ』

ふふ。そか...

『ヒョクチェ』

ん?ありがとね。すごくうれしぃ。俺もだよ。指輪をした手を握りあって。こつんとおでこをあわせて。ちゅーをしました



《つづく》



※ここもー指輪くらい持ってる気もしますが、探し出せないので忘れてくださいm(_ _)m←
※きのーの更新です