ヒョクチェ side
あれ...今日はいないのかな...台風が近づいているせいか。海は荒れ気味で。あちこちに白い波が踊っていた
『誰、探してんの』
え...堤防の下から、声がして。え...いつも。遠目からながめていた、そのひとが。こっちを見上げていた
『いえ...その...』
『よく。そこにいるよね』
え...何で...あの...
『部活の朝練で。ランニングしてるんですけど』
ここで。一旦、休憩するんです。へぇ。何部?サッカーです。お、サッカーか。俺も好きだよ。そ、そうなんだ。ちょっと...親近感...
『海も?好き?』
え...いつも眺めてるでしょ。あ...まぁ...見てるのは...海じゃないんだけど...
『僕。泳げないんで...うらやましいです』
持っていた、サーフボードを指差す。あぁ...俺も、うまくはないよ。海は好きだけど。名前に《海》がつくくらいだからね
『海?』
そう。東に海でドンへ。あは。そのまんまだ。だろ。よくからわれるよ
『今は無理だけど。夕方もいるから。良かったら、見においで』
さらりと。前髪をかきあげて。え...
『いいんですか?』
うん。いつでも大歓迎。にっこりとわらう。その顔が。芸能人みたいに、かっこよすぎて...
『おい!ヒョクチェ!行くぞ!』
あ、はぃ!見惚れてる場合じゃなかった...くく。ヒョクチェくんね。じゃぁ、またね。はぃ!手を振りながら。足取りが、軽くなる気がした
《つづく》
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※画像お借りしましたm(_ _)m
※きのーの更新です