※季節外れですが...
※毎日イェウクってどーなんだ(⌒-⌒; )


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JW side



『ヒョン!』

綺麗だね。真新しい制服に身を包んだリョウクが。満開の桜並木の下を、跳ねるように歩いていく。その華奢な肩に、ひらひらと花びらが舞い降りた

『リョウク』

ん?花びら。あ、ほんとだ。桜もお祝いしてくれたんだね。はは。そうかもな

『待って』

ん?宙に放そうとした俺を止めて。大事そうにハンカチに包んで。ポケットにしまった

『今日の記念』

そう言って微笑んだ。ハートの口をして


リョウクがここに来たのも。こんな季節だった。門のところに桜が咲いていて。職員のひとが紹介してくれたとき。栗色の髪に、花びらがついていた。まるで。髪飾りみたいに

《ナムジャだよ》

そう言われてびっくりした。色が白くて。細くて。てっきりヨジャかと思ってたから。不安げに、きょろきょろと。様子を伺ってる姿がかわいそうで。考えもなく手を差し伸べた

『俺。ジョンウン』

じょん...うん...ぶつぶつとつぶやいて。ぱっと。花が開くように。微笑んだ

『ジョンウニヒョン!』

そして。俺の手を取った


それから。小学校。中学。高校と。保護者のように。リョウクと過ごしてきた。でもそれも。ここまでだ

高校を卒業した俺は。ここを出ていかなければならない。ありがたいことに。就職が決まって。社宅にも入ることができた。いつかは。大学に...とは考えてるけど...どうかな...

別れがつらくて。みんなが学校に行っている間に、荷物をまとめた。お世話になった、施設のひとたちに挨拶して。玄関に向かうと。まだ就学年齢に満たない幼い弟妹たちが、まとわりついてくる

『ひょんあ。お出かけ?』

うん。ちょっとな。いいなぁ。僕もお出かけしたい。ぷくっと頬をふくらませて。おっきくなったらな。小さな頭をなでる。リョウクにも。こんなときがあったな...登校する俺を。門のところまで追いかけてきて。置いてかないでと。両目に、なみだをためて...


駅に着いて。買っておいた特急券を出そうと、ポケットを探った。あれ...切符と一緒に、出てきたのは。小さな封筒で。何だ...?中を見てみると。折りたたまれた紙と。押し花になった、桜の花びら...

《ジョンウニヒョン》

特徴のある、丸っこい文字が並ぶ。リョウクだ

《顔を合わせると、泣いてしまいそうだから。手紙を書きました》

あいつ...わかってて...

《卒業したら。真っ先に会いに行くから》

そのときは、また。一緒に暮らせたらいいな...リョウク...ちゃんと読みたいのに。文字がぼやけてゆく。それと

《ヒョンの部屋は、僕が使うことにしたよ》

だから。寂しくない。リョウク...深呼吸をして。手紙と、花びらを。財布にしまった

リョウク。ありがとう。リョウクが卒業するまでに。二人で住む部屋を、借りられるように。俺も頑張るよ...


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※きのーの更新です