ヒョクチェ side
《今日は遅くなる》
ドンへにカトクして。今日はってゆーか...今日も。だな...それでも、なるべく早く帰ろうと急いでいると。ジョンスヒョンから電話がきた。スマホを持って席を立つ。よぼせよ
《ヒョクチェ。久しぶり。まだ仕事中?》
えぇ...まぁ...
《終わってからでいいからさ。事務所、寄ってくれる?》
ドンへくん、来てるんだ。え...寝ちゃったからさ。迎えにきてほしいんだよね。ドンへが?俺に何もいわずに?出かけるなんて、ゆってなかったよな...
あわてて仕事を片づけて。ジョンスヒョンの事務所に向かった
『わるいね』
いぇ...俺の方こそ...ごぶさたしてしまって、すみません...元気そうでよかった。えぇ。おかげさまで...ドンへもすみません...邪魔しちゃって...
『そんなことないよ。俺も、久しぶりにドンへくんに会えて。うれしかったし、たのしかった』
にっこりと。片えくぼをへこませる。その笑顔に。どこかほっとした。ドンへは、と見ると。ソファで、ブランケットにくるまって。すうすうと寝息をたてていた。ひとりで出かけることなんて...ほとんどないのに...帽子でもかぶってきたんだろうか。ぐしゃぐしゃになった髪をなでる
『どうした』
ほら。飲めよ。あ、すみません...湯気の立つマグカップをわたされて。よく...こうやって...一緒にかえったなって...ふふ。そうだったな。ジョンスヒョンが、コーヒーをすする
『俺...間違ってたのかな...』
つい、つぶやいてしまった。ふたりのためにって決めたけど。何も変わらないって思ってたけど...
『戻ってくる?』
え...なんて、言うと思うか?こつんと頭をこづかれた
『お前が不安に思ってると、ドンへくんも不安になるんだよ』
そう...ですね...寂しかったんじゃないのかな。そうは言わなかったけど。ジョンスヒョンが。ブランケットをかけ直してくれる。一緒にいるからこそ。ちゃんと。話せよ。はぃ...ぐっすり寝入っている、ドンへの頬を。指先でなでた
《つづく》
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