https://ameblo.jp/liuroom/entry-12718971536.html

※ちょうど一年前あたりにはじめたらしーので。眠らせてたネタ出します


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『てぇへんだ!てぇへんだ!』


今日も荒野の町に響きわたる、東海の馬鹿でかい声


『どんぺ。そんなに叫ばなくても、聞こえてるって言ってるだろう』


すいやせん!兄貴!眉毛を下げて。しょぼくれてはいるが、声はでかいままだ


『それで。何だ』


あれかい


『小唄の師匠の旭太夫が。背をちょろまかしてたって、一件かい』


『それは兄貴のこって』


『お前に言われたかねぇや』


相変わらずのやり取りに。自身番が、笑いを噛み殺している。それが...


『越前屋に、盗人が入ったそうで』


何?東海の言葉に。銀之丞の一重の目が。きりりとつり上がる


『越前屋といやぁ...』


去年の抜荷の一件で。鞍替えした大店だ。主人の熙右ヱ門は、妹夫婦に店を譲って。町外れに、小間物屋を開いている。今では、好好爺として。何かと頼りにされているそうだ


『よし。出張るか』


脇に置いていた、刀を手に取る。それが...東海が。眉毛を下げたまま


『何も盗られたものが、ないそうで..』


盗られたものがない?へ、へぇ...


『夜更けに盗人が押し入ったのは、確かなんでやんすが。越前屋には。滅法、腕っ節の強い用心棒がいるそうで』


そいつが、一味を追っ払ったそうでやんす...用心棒...?大店ってのは...随分、念の入ったもんだな...


『盗られたものがないとは言え。盗人が、市中の何処かに潜んでいるのは間違いねぇ』


どんぺ!行くぞ!へ、へぇ!銀之丞に続いて。東海も番屋を後にした



《つづく》


※小ネタ入れたら本題にたどりつかなかった...(笑)

※本日のラインナップ