※2023年初投稿ですm(_ _)m
※今年もよろしくお願いします^^


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始雄 side


『見て!かわいいでしょ』

洙利さんが届けてくれた重箱には。洙利さんがアレンジしたお節料理がぎっしり詰められていて。圭美の手に乗っているのは。手毬寿司というのかな。今年の干支の、うさぎに見立てたんだろう。小さく丸めた寿司飯に。薄く切った白身魚が巻かれていて。目が胡麻だったり。生姜の甘酢漬けが耳になっていたり。細かい細工がされたものだった

『食べるの、もったいないね』

そうだな。でも...これを、希美兄さんも食べてると思うと...

『デザインしたの、お兄ちゃんなんだって』

へぇ。さすがインテリアデザイナー。お重に詰めたりするのもね。迷ってると、さりげなく口をだしてくるんだって。手は出さないのに...ふぅん。煮物をひとつ。口に放りこむ。うん、うまぃ

『なんか...そういうの、いいよね』

そういうの?うん...なんてゆうか...一緒にできるってゆうか...協力しあえるってゆうか...

『共同作業じゃないけど。ふたりでおんなじことできるって、いいなって...』

少し寂しげに。圭美が、うさぎの寿司を重箱に戻す

『俺たちだって』

ぁん...細い腰を抱きよせる。一緒にできることがあるだろ。耳元で。囁くように。あ...も...それも一番、大事なこと。じんわり染まる耳朶にくちづけて。その身体を抱きあげた


《後はよしなに...》

※新年早々、朝からすみません...