ヒョクチェ side
結局、企画はつぶれた。放送局は、大丈夫なんだろうか...宿舎の家賃も。経費も。スタッフさんも。だいぶかかったはずなのに
『そのへんは。僕らに任せてください』
ソジュさんが。あれの自業自得ですし。あの馬、それなりにサラブレットなんで
最後に。ミモザさんとピョルさんの手料理で。みんなで乾杯して
話し合って。ここを出たら。どこかで会っても。お互い、知らないふりをしようと決めた。そのかわり。一年に一度。この日に。この場所で。集まることを約束した。それぞれ。復縁していよーが。いなかろーが
『ヒョクチェ』
ドンへ。手を伸ばすと。そっとその手を握ってくる。俺たちは、新たな一日目を刻んだ。ちょっとびっくりしたけど。ドンへは、前ほどべたべたしなくなって。いまならわかる。あのとき。俺にまとわりついていたのは。さみしさの裏返しだったんだと
しばらくして。偶然、見ていた。同じ放送局のオーディション番組で。ソジュさんが、圧倒的な歌唱力で優勝して。デビューの機会と。結構な賞金を手にしていて。ふたりで顔を見合わせた
そーいえばさ。ん?腕の中の、ドンへの髪をいじりながら
『どんぐりさんって...何だったの?』
え...
《完》
※終わりかい!←終わりです
※ことしのクリスマス