ヒョクチェ side



《週末。明洞聖堂のライトアップ、見に行かないか》


ライトアップ...?うん。きれいだって。しばらくかんがえて。ドンへは、こくんとうなづいた



人混みを避けて。乙支路3街の駅から歩いた。プオンパンの屋台があったから。5個入りを買って。最後の一個はじゃんけんして。ドンへが勝ったけど。ちゃんと半分こにしてくれて


さむかったけど。こころとつないだ手と。腹ん中はあったかかった


聖堂の周りには、光るバラで埋めつくされていて。やっぱりライトアップされた、ソウルタワーが遠くに見えて。きれいだね。な...


聖堂に近づくにつれ。ミサなのか。礼拝の時間なのか。聖書を読み上げる声が、もれ聞こえてきた


『入ってみよう』


え...とまどうドンヘの手をひいて。重いドアを開けた。隅の方の、空いていたベンチに座る。ドンへも。おずおずと腰をおろした


外のライトアップが。ステンドグラスに反射して。色鮮やかな影を、いくつも映しだしていて。つい、見とれていたら。ドンへは。両手を組んで、しずかに目を閉じていた。あわてて同じよーに。手を組んで。目を閉じて。祈って...


太ももにぬくもりを感じて、薄目をあけると。ドンへの手が片方。控えめに置かれていて。そっとそれに重ねて。握りしめると。とくんとくんと。お互いの鼓動も重なって。溶けあうような気持ちになった



《Marry X'mas》


※ことしのクリスマス