ドンへ side
『パパ!これも!』
はぃはぃ。ヒョクチェと一緒に。ツリーの飾りつけをしていた。俺の身長よりもでかいそのツリーは、シウォンさんからの頂き物だ。
めずらしく。ヒョクチェとキュヒョンくんがケンカをした。原因は、サンタクロースがいるかいないか。子どもにはよくあることだけど。感情が昂ったんだろう。言葉がうまくつなげなかったヒョクチェが。キュヒョンくんを押した。ほんとに軽く。だから、キュヒョンくんは、ふらつきもしなかったのに。反動で自分がしりもちをついた。そして。自分がやったことにびっくりして。ヒョクチェが泣きだした
『実は、私のせいなんです』
お詫びのしるしだと。ツリーを届けにきたときに。悔しそうに唇を噛んで。キュヒョンくんは、サンタクロースを信じていないわけじゃなかった。自分のところには来ないのはわかっていた。クリスマスのソンムルは、シウォンさんやその会社から届くから。みんな、サンタクロースはいい子にソンムルをくれると話す。それなら、自分はいい子じゃないんだ。だから、サンタクロースが来ないんだ。たわいもない言葉が。キュヒョンくんの小さな心に棘を刺した。無邪気に。サンタクロースに手紙を書いた話をした、ヒョクチェがうらやましかったんだ
『大人びた子だと、思っていたんですがね...』
私もまだまだですね。はは...自嘲気味に。寂しげに笑った。それは俺も同じだ。でも俺たちは。目を逸らすわけにいかない
『パパ!これ、てっぺんにつけたい!』
大きな星を両手でかかげて。ツリーの飾りも箱で来た。これはちゃんときれいにしまっておいて。また来年も使おう。ヒョクチェがやる?うん!ん。おいで。よいしょっと。ヒョクチェを抱きあげる。視界が変わったことで。きゃっきゃっとはしゃぐ。うん...頼むから...はやくして...
『パパ。写真撮って』
写真?うん。もちろん撮るけど。ヒョクチェも一緒に
『キュヒョンくんに、見せてあげたいの』
ヒョクチェ...面影のあるアーモンドアイが。ゆらゆらと揺れる。それなら...
『明日。キュヒョンくんに、見にきてもらうのはどうだい?』
キュヒョンくんのパパに。聞いてみるから。うん!ぱぁっと顔を明るくして。とびついてきた小さな身体を抱きしめる
なぁ。やさしくて。涙もろくて。情緒が豊かで...
誰に似たんだろうな...
《つづく》