※ヒョクチェ兄、ドンへ弟の双子のお話しです
※ドンへは留学中←帰国のタイミングを逃してる(笑)

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ヒョクチェ side


小さいころ。ドンへをよくおんぶした。泣き虫だったし。俺にべったりだったし

一度だけ。ドンへが俺を、おんぶしてくれたことがある

確か。中学のときだ。体育の授業でサッカーをしていて。倒されて、足を捻挫した

保健室で手当をしてもらっていたら

『お迎えが来てるわよ』

迎え?誰かと思ったら

『ヒョン』

何だ...ドンへか...

『どぉ?』

どぉって...見てのとーりだよ。ドンへが、俺の足元に視線をおとす。ぎゅっと手を握りしめると。俺の目の前にしゃがんだ。背中をむけて

『乗って。背負ってかえるから』

ば...

『バカいってんじゃねぇ!』

そんなかっこわりぃことできるか!ぁ...勢いあまって。ドンへの背中を軽く蹴ってしまった。でも。ドンへはふらつきもしなぃ

『かっこつけてる場合じゃないじゃん』

ほら、早く。ぅ...ぉ、弟のくせに...小声でつぶやくと

『弟だからだよ』

きっぱりと。弟だから。ヒョンは俺が背負う。ドンへ...

じゃぁ...たのむ。ん...ゆっくりと。そのたくましい背中に、身体をあずけた。背はそれほど変わらないのに。掛け声もなく、すっと立ちあがる

しっかりした足取りで。家に帰るまで。たぶん、ふたりとも黙ったままだったと思う

いつのまにか鍛えた背中は。厚くて。アツくて...もぅ。子どもじゃないんだな。そー感じていた


《つづく》

※本日のラインナップ