ヒョクチェ side
日曜の昼は。俺とソジュさんで、ラーメンを作って振るまった。あのころ。ドンへが。俺が作ったラーメンを、うまいうまいって食べてくれたことを思いだした。なんの変哲もない。具もろくに入っていないラーメンを
ソジュさんはラッポギにして。ジョンも焼いて。ミモザさんとピョルさんが、パンチャンをたくさん作ってくれてたから。なかなか豪華な昼飯になった
『どうぞ』
ドンへの前に。ラーメンをよそった器を置く。あ、ありがと...ドンへは、しばらく器を見つめていて。すいっとすくったラーメンを、もそもそと口にすると。ぱたっと箸を置いた。そして。ラッポギにのっていたゆで卵をつかんで、もぐもぐと食べだした
何だよ...うまくないのかよ...
手が汚れるよ。チーズが。ティッシュを手渡して
『これ、食べなよ』
うまいよ。別の器にラッポギをよそる。あ...
『辛いのはダメだよ』
やべ...つぃ。とがめるよーな口調になってしまって。視線が俺に集まる。ぁ...ぇ...と...こ...
『こないだ...辛いのは苦手だって、ゆってたから...』
うん。だから、そんなに辛くしてないよ。ソジュさんが。辛いの好きなひとは、もの足らないだろうから。コチュカル足して。あ、俺もらう。俺も。それぞれ、好きなように味を足す
ドンへは、真っ赤なトッポギをすくって。すこしかじって。やっぱり顔をしかめていた
《つづく》
※きのーの最終更新です