※兄シンドン、弟リョウクです
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リョウク side
『こないだフラれたの、引きずってるんじゃないか?』
『またフラれたの!?』
ちょうど。ジョンウンさんが作ってくれたオムライスに、スプーンを入れたところで
『何だ。知らなかったのか』
うん...
今日は、ヒョンが帰ってくるのが遅いから。ジョンウンさんのカフェで、晩ごはんを食べることにした。コーヒーもケーキもおいしくて。ヒョンも僕も。キュヒョンもお気に入りのカフェだ
ヒョンも。誰かに誘われることがなければ。今日はここで食べるんだろう
『弟が心配するからじゃないか』
泣き虫だしな。そんな!こと...ある...かも...スプーンの背で。オムライスの上にかけられたトマトケチャップを、いたずらにくるくるとのばす...うぅん。だめ。だめ。美味しいものはおいしく食べないと。ふん
気を取り直して。端からオムライスをすくって。口に運んだ。うん。今日もおいしい
『でも...何でヒョンって、長続きしないんだろ...』
ひとのことは言えないけど。やさしくて。物知りで。何でもできて。おもしろいのに...さぁな...
『コーヒーにする?紅茶にする』
切れ長の目を細めて
『ミルクティーにします』
了解。バリスタの資格もあるジョンウンさんは、紅茶を淹れるのもとても上手で。厳選した茶葉と。コクのあるミルクがたっぷりと注がれたそれは。とてもやさしくて、心が落ちつく
ジョンウンさんが、手際良く作業するのを眺めながら。残りのオムライスをお腹におさめた
《つづく》
※きのーの更新です