※兄シンドン、弟リョウクです


****************



リョウク side



『こないだフラれたの、引きずってるんじゃないか?』


『またフラれたの!?』


ちょうど。ジョンウンさんが作ってくれたオムライスに、スプーンを入れたところで


『何だ。知らなかったのか』


うん...


今日は、ヒョンが帰ってくるのが遅いから。ジョンウンさんのカフェで、晩ごはんを食べることにした。コーヒーもケーキもおいしくて。ヒョンも僕も。キュヒョンもお気に入りのカフェだ


ヒョンも。誰かに誘われることがなければ。今日はここで食べるんだろう


『弟が心配するからじゃないか』


泣き虫だしな。そんな!こと...ある...かも...スプーンの背で。オムライスの上にかけられたトマトケチャップを、いたずらにくるくるとのばす...うぅん。だめ。だめ。美味しいものはおいしく食べないと。ふん


気を取り直して。端からオムライスをすくって。口に運んだ。うん。今日もおいしい


『でも...何でヒョンって、長続きしないんだろ...』


ひとのことは言えないけど。やさしくて。物知りで。何でもできて。おもしろいのに...さぁな...


『コーヒーにする?紅茶にする』


切れ長の目を細めて


『ミルクティーにします』


了解。バリスタの資格もあるジョンウンさんは、紅茶を淹れるのもとても上手で。厳選した茶葉と。コクのあるミルクがたっぷりと注がれたそれは。とてもやさしくて、心が落ちつく


ジョンウンさんが、手際良く作業するのを眺めながら。残りのオムライスをお腹におさめた



《つづく》


※きのーの更新です