ヒョクチェ side



『こちらへどうぞ』


その部屋には、すでに先客がいた。ヨジャが4人。ちょこんと頭を下げて。緊張してるのがつたわる。俺もだけど...入口でクジを引いて、それぞれのー席を決めた。ぱっと見。知った顔はいないとおもうけど...ヨジャは化粧で変わるしな...かなり前だし...記憶が曖昧だし...


『皆さま。お忙しい中、お集まりいただいてありがとうございます』


PDが挨拶に立った。あらためて、企画の説明と。注意事項が読みあげられて


『まず。この中での呼び名を、ご自分で決めていただきます』


呼び名...ニックネームみたいのでいーのかな...


『あぁ。ひとつだけ。つきあってた当時の呼び名は、避けてくださいね』


では。そこの。黄色いワンピースの方から。え...わたし...黒髪のロングヘアのヨジャが。びっくりしたように胸元にをおさえる。どうしましょう...全然、考えてなかったわ。頬に両手をあてて。もじもじと


『今日のワンピースがこの色なので...ミモザと呼んでください』


ミモザさんですね。では、ミモザさんが次のひとを指名してください。はぃ...ちょっと上目で。ぐるっと全員を見まわす。あ...


『じゃぁ...そこのすてきなジャケットの、あなたで』


お、俺...?なんとなく目があってしまった...どうしよう。まだ決めてないんだけど...


『みょ...ミョルチでお願いします』


学生時代のあだ名だ。大丈夫だよな...恋人には呼ばれてなかったし。濃いめのイケメンがくすっとわらう。え...おかしかったかな...やべ...へんな汗でてきた...


『わぁ!仲間がいた』


え...ぱちんと手をたたいて。ガタンと、椅子をはねとばす勢いで立ちあがる。かわいい!みょるち!


『わたしも魚なんです!』


ニモって呼んでください。その子は。小首を傾げて。にっこりとわらった



《つづく》


※きのーの最終更新です