キュヒョン side



あいかわらずドンヘヒョンは。退屈すると、俺の部屋に遊びにくる。俺がゲームをしていても。スマホをいじっていたり、いつのまにか寝てしまったり...筋トレはさすがに気が散るので、やめてもらった。ハダカが、じゃなくて。どうしても漏れてしまう声が、でもなくて


いまも。俺の太ももに頭をのっけて。ぐーすかいびきをかいている。なんかますます...なつかれてるよな...


ようやくわかった。俺に対する扱いが。ほかのひととちがったのは。ヒョンの愛情表現だったのだと。めちゃめちゃ幼稚だけど。だいぶうざいけど


鼻炎気味だとかで。よく鼻をぐずぐずさてているけど。息苦しいのか、口がぱっかんと開いている。気まぐれに。そのくちびるをつまんでみた。眉根を寄せて。いやいやと首をふる。くく。子どもかよ...


ちょっとおもしろくなって。くちびるをむにむにとしていたら。突然、ドンへヒョンの二重の目がぱっちり開いて。わ!あわてて離そうとした指を。前歯でがっちり挟まれた。ひ、ひ、ひ、ひょん...あの...俺の目を見据えたまま。指先に。アツい息がかかって。やわらかな舌がまとわりつく...ねっとりと。じっくりと。あ、あ、あ、あ...やばぃ...何がやばいかわかんないけど、とにかくやばぃ!


と、そのとき...


手にしていたコントローラーが振動して。画面には《LOOSE》の文字が...ひょ...


『ヒョンのばかぁぁぁぁぁ!』


えぇぇぇぇぇ!俺ぇぇぇぇぇ!



《つづく》


※本日のラインナップ