それから俺は。ひょっくんと暮らすことになった。シウォンさんは、施設で働くことをすすめたけど。それは断った。少し距離をおく方がいいと思ったし。ひょっくんに。ふつーの生活をさせあげたかったから

 

『とへー』

 

玄関でひょっくんが俺を呼ぶ。はやくー。はぃはぃ。お待たせ。はぃは一回です!ふふ。はーぃ。ひょっくんがほっぺたをぷくっとふくらます。つぃそのほっぺたをつっついてしまうんだけど。最近、いやがるんだよなー...

 

毎日、施設に送っていって。手をつないで。迎えにいって。遅れるときは、シウォンさんに預かってもらって。休みの日は遊びにいったり。運動したり。勉強みてやったり

 

『表情が豊かになったよ』

 

好奇心も旺盛になったし。身体もしっかりしてきたな

 

俺は定期的に検査を受けている。不測の事態に備えて。まだ明確な変化は見られないけど

 

『こんなデータ、取ったことないからね。興味深いよ』

 

寝るときは、いつも一緒だ。雨の日は特に。甘えてきて。俺の胸に耳をおしあてる

 

ほんとに俺がアルファになるのか。なったところで。ひょっくんと番になれるのか。ひょっくんに抱いている、この情が何なのか...いまはまだ何もわからない

 

わからないからこそ。いまを大切にしたいんだ

 

あの日に。意味がないとは思えないから

 

 

《完》

 

※いやオメガどこいった(⌒-⌒; )

※きのーの最終更新です