ウニョク...あちこち探したけど、どこにもいない。ふと玄関を見ると、ウニョクに買ってあげた靴がなかった。服もない。まるでウニョクがここに。いなかったみたいに
窓際に、ぽつんとラジオが置いてあった。外に行った?ひとりで?あれだけ出ようとしなかったのに?
どうしよう。探しにいこーか...でもどこに?理由をつけて、会社にはちょっと遅れるって...あ...そーだった...今日は大事な顔合わせがあるんだった...
こんな日にいなくなるなんて。このプロジェクト、うまくいかない?ウニョクがいるから。うまくいってたのに
いや。ちがう。ぶんぶんと首をふる。ひとりしかいない。部屋の真ん中で
ウニョクはきっと。どこかでわらっててくれる。俺を見ててくれる。俺は俺の。最善を尽くすまでだ
支度をして出勤したものの。道を歩きながら。ついキョロキョロしてしまう。心当たりなんてないのに。ほんとにいなくなっちゃったのかな...家にかえったら、また。膝を抱えて。にこにこしてる気がして...
会社に着いたら、そんなことも考えていられない。会議室や資料の準備をして
『いらっしゃいませ』
後輩が案内してきた、相手先のひとたちを見て。俺は絶句した。その中のひとりが。ウニョクにそっくりだったから
ウニョク!?
え?そのひとは、きれーなアーモンドアイを見開いて。かくっと首を傾げた
《つづく》
※きのーの最終更新です