『すっかり民間人だな』

少し伸びた髪を。茶色に染めた俺を見て。ヒョンは太りましたね。黙れ。ドンヒヒョンの休暇に、ドンへと三人で会っていた

『うまくいってるのか』

ドンへが席を外したときに。うまく...いってるって...

『何だよ』

つきあってるんだろ?え...おぃ!

『何やってんだよ』

ヒョンに思いっきり肩をどつかれる。俺が猫の手を借りてまで、お膳立てしたのに...顔はわらってるけど...まじで痛い

つきあってるって...キスはしちゃったけど...手をつないだりもしないし...言葉で気持ちを確認したことも...ないよな...やっぱり避けてるんだ...お互い

この先もドンへと一緒にいることに疑問はないけど。あのとき。はじめて伝えたとき。ドンへを泣かせたこと。拒否られたことが。どこかでひっかかっている

『大人になっただろ』

お前もヘユナも。そろそろはっきりさせたらどうだ。えぇ...ヒョンさみしそーな顔が。気になった


ドンへ...ん?部隊に戻るヒョンを見送って。すこし前までは、俺も見送られる立場だったのに。すこし変な気分だ...ふりむいた身体を抱きよせた。ぁ...ドンへが顔をふせる。大体いつも。このながれだとキスしてたから...でも...

『ドンへ...』

ん...さらさらの髪をなでる。俺は...この先ずっと...お前と一緒にいたいと思ってるけど...

『お前は...どうだ?』

ヒョク...ドンヘの喉がごくりとなって。身体にすこしちからが入る。でも振りほどきはしなかった。髪をなでていた手であたまを抱く。ドンヘのこころが。おちつくよーに...

『僕も...』

僕も...一緒にいたい...ヒョクと...俺の手に。ドンヘの手が重なる。ドンへ...

『愛してる...』

ヒョク...僕も...はじめて。こころを合わせたキスをした...

『ヒョク...』

ん?うれしくて。ちょっとふかく追ってしまって。なみだ目で。肩で息をするドンへを、腕の中に入れる。ほんとに...ほんとにいーの?僕で...ばか...まだゆーか。ん...

『一日目って、ことになるのかな』

何かいろいろ長すぎて...いろんなことがありすぎて...ううん。一日目は、あの日だよ。あの日?

『ヒョクがはじめて声をかけてくれた日』

僕を...見つけてくれてありがと...ドンへ...


《つづく》


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